私が日本語字幕版監修をしたDVDが今月末、丸善出版より販売されます。個人が購入するには値段が高すぎますので、学校や図書館での購入を依頼していただければと思います。
当初、それほど負担にならないだろうと思い、安請け合いしたのですが、実際に作業を始めると、想像以上に大変でした。英語表現のすべてを字幕にすることはスペース的にできないので、俳句的な翻訳センスが要求されます。ときどき出てくる専門用語をいかにわかりやすく、一貫性をもって訳すかにも苦労しました。
しかし、このDVDシリーズはキリスト教史ものとしては、かなりおもしろいです。伝統的な西洋中心のキリスト教史に対するアンチテーゼを随所に含んでおり、監修しながら、何度も「なるほど!」と思う場面がありました。おすすめできます。
以下に、販促パンフに掲載されている「日本語字幕版監修のことば」を参考まで載せておきます。
本シリーズは、キリスト教の歴史とそれに伴う地理的な拡大を理解できるように構成されているが、その最大の特徴、そして、おもしろさは邦題にも示されているように「危機と復活」という視点にある。今あるキリスト教の多様な姿は、単に教義的な違いから生じたものではない。歴史的な偶然が予期せぬ流れを生み出し、存亡の危機が、新しい環境での適応と刷新をもたらした。各巻は、キリスト教の粘り強い生命力を描写しており、時に「目から鱗が落ちる」(この表現は新約聖書に由来している)シーンに出会うことになる。この宗教の現状と行く末を考える上でも、多くの示唆を与えてくれるはずである。
販促パンフのPDFをつけておきますので、ご利用下さい。