小原On-Line

旅行・地域: 2006年11月アーカイブ

 朝7時前に森先生から、今日のAdditional Meeting(特定テーマをAARメンバーに伝えるために部屋を借り切って行うプログラム。後述)のために発送した荷物のチェックに行こう、との連絡を受けました。実は、すでに到着していなければならないはずの三つの荷物の内、一つが到着しておらず、その中に重要なものが入っていれば大変だ、という心配をワシントンD.C.到着時からしていました。
 未着の荷物の所在を、会場となるホテルでインターネットのトラッキング・サービスで調べてもらったところ、ケンタッキーまで来ていることがわかりました。しかし同時に、必要とする時間までには間に合わないだろう、ということを認識せざるを得ませんでした。
 そこで次の問題は、もっとも重要な品々(作製したばかりのCISMOR英文パンフなど)が到着済みの二つの中に含まれているかどうかということになりました。3分の2の確率です。
 はさみを借りて、箱を開けました。もしこの二つの箱に重要なものが入っていなければ、森先生の機嫌が悪くなることは明らかですので、はさみを持つ私の手は緊張のあまりガタガタと震えていました(というのはウソですが・・・(^^ゞ)。
 くじ引きをするような気持ちで、さくさくと開けていくと、一つ目の箱の中にもなく、また二つ目の箱の中にも、求めているものがないではありませんか? オウ・ノー!と絶叫しかけましたが、もはやどうしようもありません。
 こんなことがあるんですね~。楽観的な私もさすがに愕然としました。森先生のホテルの部屋番号が911だったので、何か破局的なことが起こるのではないかと心配していたのですが、実際に起こってしまいました。
 「あまり気にせず気楽にやりましょう!」と声をかけ(やっぱり楽観的?!)、私は残されたわずかの時間を観光にあてるべく、ホテルを後にしました。

061121_1 最初、街中からは少し離れたところにあるアーリントン国立墓地に向かいました。靖国問題を論じる際に、しばしばアーリントンのことを引き合いに出してきましたので、ぜひ見ておきたいと思っていました。アーリントンは国立ですが、無宗教ではなく、基本的にあらゆる宗教による葬送儀礼を認めています。つまり、葬儀における宗教性を国民の「自由」の一つとして認めているということです。
 アーリントンは巨大でした。木々が紅葉し、落ち着いた美しいたたずまいを見せていました。学校からの見学を含め、多数の来場者の姿も目にしました。
061121_2 右の写真はアメリカ海軍が行っていた式典を撮影したものです。たまたま、その場に巡り合わせたのですが、厳かな緊張感が伝わってきました。
 時間の関係ですべてを見て回ることはできなかったので、有名なことろをねらって急ぎ足で回りました。その一つは左の写真にあるジョン・F・ケネディの墓所。大きな大理石のサークルが他の墓所との違いを際だたせていました。そのサークルの隅に写真のような名前のプレートと燃え続ける炎が置かれています。
061121_3 右の写真は、一目瞭然ですが、スペースシャトル・チャレンジャーの犠牲者を慰霊する墓標の一つです。

 アーリントンの後、ホロコースト博物館に行きました。左下の写真はその外観です。
 エルサレムにあるホロコースト博物館ヤド・ヴァシェムに行ったことがありますが、それと比べてもワシントンD.C.のそれは展示物の多さや規模において勝っている部分がありました。
061121_4 館内を見て回った後、インフォメーションのご老人と少し話をしました。ヤド・ヴァシェムと比較した印象を述べると、世界の各地にあるホロコースト博物館は、それぞれ異なる目的を持っていること、そして、全米には5、6個のホロコースト博物館があるらしいのですが、それらにおいても同様であることを丁寧に説明してくれました。
 今、授業でナチス・ドイツのことやホロコーストのことを話していると語ると、食い入るように私の話に耳を傾けていました。

 正午にAdditional Meetingの会場となるホテルで他の方々と待ち合わせをしていました。アメリカ在住のCISMOR研究員の松永先生(ニューヨーク大学)やモール先生(ブラウン大学)とも久しぶりに再会しました。
061121_5 昼食を共にした後、私とモール先生は、最後のビラ配りに出かけ、その後、会場設営やプレゼンの準備をしました。今回のAdditional Meetingは"New Kyoto Programs"というテーマの元、CISMORK-GURS(京都・宗教系大学院連合)の活動を紹介することが目的でした。
 McMaster University(カナダ)のKurt Richardson をはじめ、期待していた人はだいたい皆さん来てくださり、また、予期せぬ来場者もあって、結果的に、よい紹介・話し合いの場になったと思います。2時間半という時間があっという間に過ぎ去りました。

 終了後、Zikmund先生、イスラエルのIlijah InstituteのGoshen-Gottstein氏らとスシ・レストランで夕食をとりました。
 この頃は疲れがピークに達しており、目を開けているのが精一杯という感じになっていました。

 明日早朝にワシントンD.C.を離れます。振り返ってみると、実によく働きました。収穫も大きかったと思います。合間を縫って、そこそこ観光もできました。
 ワシントンD.C.からの報告は、これで終わりとなります。

061120_1 今日は午前中、アメリカ宗教学会(AAR)のセッションに参加し、午後は少し観光をしました。
 聞くところによれば、AARの年次大会には1万人近くの人が参加しているとのこと。その数に驚くだけでなく、これほどの人が宗教関係の仕事で飯を食っていることを考えると、アメリカはやはり宗教的な国だな、とつくづく思いました。
061120_2_1 午後は、National Museum of Natural Historyを訪ねました。隣にあるNational Museum of Natural Historyにも行きたかったのですが、ここは大幅改装中とのことで再開は来年の8月であるとのことでした。
 上の写真にあるように、恐竜や動物の骨やはく製が所狭しと陳列されています。骨だけでなく鉱物なども展示されており、地球の歴史をたどることができるような展示になっています。
061120_3 その後、通りの向かい側にあるNational Archives(国立公文書館)に行きました。右の写真は「合衆国憲法」の実物です。マグナカルタ(1297年)の実物も見ることができました。歴史の教科書に出てくるような資料を身近に見れるようにしているのは、すばらしいです。
 この後、National Gallery of Artに行きましたが、これまた広い! 隅から隅まで回ることは到底できそうになかったので、自分の好きな絵画を中心に見て回りました。
 かなり歩いて疲れたのですが、今日の仕事の一つは自分の研究発表でした。何と夜の9時から11時という時間帯です。日本では考えられない時間設定ですが、それでも聴きに来る人がいるのには驚きました。
 日本の近代化と神道、仏教、キリスト教、イスラームの関係を発表しました。20分という限られた時間でしたので、大づかみの話しかできませんでしたが、けっこうあたりがよかったようで、4名のセッション発表者の中で、私に質問が集中しました。
 ともかく、終わってやれやれです。

061118_2 昨晩は悲しいかな、ほとんど眠れませんでした。日本とワシントンは時差が14時間あるので、昼夜がほぼ逆転しています。一番しんどいパターンです。慣れた頃、帰国するという感じでしょう。
 今日は重要人物との面会を一気に果たすことができました。誰と会って、どのような話をしたのかは「企業秘密」(?)ですが、大きく展望が開けてきたので、ワシントンまで来た甲斐があったと感じています。
061118_1 ばったりとKim Heup Yong先生と再会することもできました。また1ヶ月ほど前に京都でお会いしたGTU学長のドナヒュー先生とも再会できました。また、1年半ぶりにBabara Zikmund先生とも会って、いろいろと情報交換しました。

 一仕事終えて、2時半頃から観光に出かけてきました。
 Union Stationから国会議事堂に行く途中で、なんとセグウェイに乗った子どもの列に遭遇しました(上の写真)。実物のセグウェイを見たのは初めてでしたが、行列をなして走っているのに感動し、思わずシャッターを押しました。さすがワシントンです。
061118_3 緑が多く、木々の合間をリスが走っているのを何度も見かけました。
 国会議事堂からワシントン・メモリアル(左写真のオベリスク)の方向に向かって歩き、スミソニアン博物館の一つ航空宇宙博物館を訪ねました。ライト兄弟の飛行機からアポロやボイジャーまで実物大でそろっており圧巻です。子どもの頃の夢は宇宙飛行士になることだったので、すっかり子ども心にかえって楽しむことができました。

061118_4 夜はチャイナタウンで食事をし、その後、リンカーン・メモリアルやその近くにあるベトナム戦争および朝鮮戦争の戦没者慰霊碑を訪ねました。夜見るリンカーン・メモリアルは荘厳の一言に尽きます。このあたりは、同行している森先生の解説付きなので大いに勉強になります。

 デトロイト経由の長旅の末(16時間ほど)、ようやくワシントンD.C.に到着しました。
 出発直前まで、あれこれの仕事に追われ、ブログを更新する余裕もありませんでしたが、こちらでの様子を少しでもお伝えできればと思っています。
 アメリカ宗教学会での発表その他のために、ワシントンまでやってきたのですが、人との面会などスケジュールがタイトなため、ワシントン見学がどの程度できるかわかりませんが、うまく合間を見て、博物館など訪ねてみたいと思っています。

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