小原On-Line

旅行・地域: 2004年5月アーカイブ

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 上の写真は、ハンブルクの市庁舎前で1ヶ月にわたって開催されていたヨーロッパ・フェスティバルの様子です。
 欧州新時代の幕開けとなった5月1日にあわせて、EUの各国、および将来EUに加盟する可能性のあるトルコなどが出店式にモノや情報を提供していました。新しいEU誕生の前夜にたまたま居合わせて、時代の変化を感じ取ることができたのは幸いでした。
 ドイツに留学していた学生時代には、ちょうど東西ドイツの統一の時期でした。こうした時代の変化を感じるタイミングに、わたしは恵まれているようです。

 新しい10カ国を加え、EUは25カ国に拡大しました。拡大EUの人口は4億5千万人となり、国内総生産の規模では世界の4分の1を占めるようになります。政治的・経済的な側面から、その意義が様々に語られてきていますが、今回の統合の最大の意義は、何と言っても、かつて東西に分断されていた欧州が一つになる、ということでしょう。
 ベルリンの壁を挟んで、NATOとワルシャワ条約機構が対峙していた冷戦時代には、とても想像できないような出来事です。世界史に残る歴史的な事業であると思います。
 大きな経済格差や文化的な多様性をかかえ、問題は山ほどあります。しかし、たった6カ国で始まった「欧州の家」がここまで広がり、国家間の安定を図ろうとする果敢な挑戦には、21世紀の希望を感じさせられます。

 ただ、日本でどれくらいの人が、この歴史的挑戦を関心を持って見つめているのでしょうか・・・ 米国とは異なる民主主義のあり方を学ぶ、よいチャンスだと、わたしは思うのですが。

 EUのオフィシャルサイトを紹介しておきます。すごい情報量ですよ。EUならではの多言語対応も、すばらしいです。また、駐日欧州委員会代表部も紹介しておきます。日本とEUの関係について知ることができます。

■Europa - The European Union On-Line
http://europe.eu.int/

■駐日欧州委員会代表部
http://jpn.cec.eu.int/index.html

 帰国後、ぼ~っとしている内に更新が滞ってしまいました。(^_^;)
 記憶がどかかに行ってしまわないうちに、ハンブルクでの最終日を簡単に報告します。

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 午前中は、ドイツでもっとも評価の高い週刊誌『シュピーゲル』(Der Spiegel)本社の国際関係セクションを訪ね、その編集責任者(上写真・テーブルの奥)と対談することができました。
 『シュピーゲル』はかなり硬派の雑誌ですが、な、なんと毎週300万部以上発行されているそうです。『シュピーゲル』は政治家たちの議論にも影響を与えるほど良質の批評にあふれる雑誌で、わたしもはじめて読んだときには、その考察の深さと幅にうならされたおぼえがあります。日本で『シュピーゲル』に対応するような雑誌は存在しないのではないでしょうか。

 国際関係の責任者は中東問題が専門で、ドイツにおけるパレスチナ問題の取り扱いなどについても話は及びました。ドイツの場合、反ユダヤ主義とのからみがあるので、イスラエルとの関係も一筋縄にはいきません。非常に繊細な扱いがなされていることが、わかりました。

 上の写真で、わたしが手にしているのは最新号の『シュピーゲル』です。見出しには「1.MAI 2004 Das NEUE Europa」(2004年5月1日 新しいヨーロッパ)とあります。このテーマについては、また後日触れたいと思います。
 この号では、日本関係の記事が三つもありました。一つは世界中に流れたニュース。そうです、ダイムラー・クライスラーが三菱との契約を解消した、というニュースです。
 外国のニュースとして"Japan: Drama um Kronprinzessin Masako"(日本:皇太子妃・雅子さんをめぐるドラマ)がありました。皇室入りしてからの雅子さんの苦悩を紹介しています。
 もう一つは「学問・技術」のコーナーで、"Biotechinik: Die vaterlose Maus"(バイオテクノロジー:父親のいないマウス)です。これについては説明は必要ないでしょう。


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 午後、ドイツ・オリエント研究所で少し話をしたあと、諸宗教対話を実践しているイマーム(上写真の右奥のひげを生やした人)を訪ねて、モスクに行きました。
 プロテスタント、カトリックをはじめ、仏教などとも協力関係にあるようで、少し驚きました。
 イスラームの中で、諸宗教対話に対して積極的なイニシアティブを取っている人や団体はそれほど多くないので(あくまでもキリスト教との比較ですが)、話を聞いていて新鮮な驚きを感じました。

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