「Essays - 新聞・雑誌記事等」に「動物からの問いかけ」(「現代のことば」)(『京都新聞』2008年10月3日、夕刊)を追加しました。
この記事は、フロリダ在住のboxerconanさんから、最近のハリケーン接近の際にはカトリーナの頃と違って、ペットの救援対策が取られるようになっているということを聞いたことが、執筆のきっかけになっています。基本的な情報を仕入れ、アメリカのペット事情の変化について記すと同時に、日本社会における現状についても考えています。
動物・ペットの存在は、人間と自然をつなぐ重要な役割を果たしていると常々考えています。動物を家畜化し、産業化していくことに対し、何の疑念も感じなくなったとき、人間が何を失っていったのか、と問いが背景にあります。
ちなみに、こうしたテーマを考える上で、参考になる本を一冊紹介しておきます。
内山節『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』講談社現代新書、2007年。
著者は、1965年を境に日本人が「キツネにだまされる能力」を失っていく中で、同時に自然や生命に対する感覚の大事な部分を失っていったのではないかと問いかけています。非常に読みやすく、しかし、考えさせられる本です。