昨日紹介した記事内容に関連して、すでにYokoさんがコメントで指摘してくださっていますが、メルケル首相誕生、CDU/CSUとSPDの大連立で決着がつきそうです。
初の女性首相、初の旧東ドイツ出身の首相ということで話題性はありますが、ドイツ新政権はどうなることやら。
二大政党の両方が過半数をとることができず、少数野党に票が流れたということは、両党とも十分な国民的支持を得ることができなかったことを意味しています。にもかかわらず、二大政党で閣僚を山分けする、というのは考えてみれば変な話ですが、政治の世界ではやむを得ません。
これまでは緑の党などの小さな党の意見も連立政権の中で反映されてきましたが、今後、新たな大連立の中で、少数野党の声が反映されるのかどうかは、かなり怪しくなるでしょう。
いずれにせよ、政策的には新政権はCDU/CSUとSPDそれぞれの主張の中道をいくことになるのではないかと思います。しかし、サッチャー元英国首相にたとえられるメルケル氏のことですから、首相になって豪腕ぶりを発揮するのかもしれません。
トルコのEU加盟問題に関しては、両党は完全に対立していましたから、今後、メルケル首相のもと、どういう道をたどるのか目が離せません。
新聞記事: 2005年10月アーカイブ
『朝日新聞』10月7日夕刊に掲載された記事を小原克博 On-Line にアップしました。まずはご一読ください。
ドイツ総選挙とトルコEU加盟問題の両方を扱った内容なのですが、この内容に落ち着くまで紆余曲折がありました。
実は、記事の元となる原稿は、ドイツ総選挙前(9月中旬)にはできあがっていました。そのときには、CDU・CSU勝利、メルケル首相誕生を想定して書いたのですが(どのニュース・ソースも似たような予想をしていました)、ふたを開けてみると、予想を裏切る混戦模様となり、原稿を書き換えざるを得なくなりました。
選挙結果にあわせて書き直し、掲載のタイミングをうかがっている間に、連立の行方がますます混迷の相を深め、それに加えて、トルコ加盟交渉へのオーストリア乱入などがあって、再度、書き直すことになりました。
総選挙後、これほどドイツやEUを取り巻く状況が流動化するとは思いもしていませんでした。担当記者と連日のように情報交換し、最新のニュースに目をこらして原稿の書き直しを続けたのは大変でしたが、結果的によい勉強になりました。
■「独総選挙に見るトルコEU加盟問題」(『朝日新聞』10/7)
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