ダン・ブラウンの最新刊『ロスト・シンボル』の翻訳が日本で発売されているようです。その関係のニュースも時々目にしますが、私がおもしろいなと思ったダン・ブラウンへのインタビュー記事がありますので、紹介します。インタビュー動画もあり、楽しめます。
上のインタビュー記事中、以下のような宗教をめぐるやり取りがあります。ダン・ブラウンらしさが、よくあらわれていると思います。
Q:宗教を信じていますか。
A:監督教会の信徒として育てられたので、子供のころはとても信仰心が篤かったんですよ。その後、中学生のころに、天文学や宇宙論や万物の起源について勉強しました。牧師にこう訊いたのを覚えています。「ぼくにはわかりません。本にはビッグバンという爆発があったと書いてあったのに、ここの教えでは、神は七日で天と地と生き物を創造したことになっています。どちらが正しいんですか」とね。残念ながら「よい子はそんな質問をするものではない」というのが答でした。そのとき、はっきり思いました。聖書の記述はおかしい。科学のほうがずっと合理的だ、と。そしてすぐに宗教から離れました。
Q:いまはどうですか。
A:皮肉なことに、結局もとにもどりました。科学を学べば学ぶほど、物理学が形而上学へ、数が虚数になってしまうのがわかったんです。科学へはいりこむほど足もとがぬかるんでくる。そこで、科学には秩序があるが、スピリチュアルな面もある、と思いはじめたわけです。
アメリカでは、発売されてから今に至るまで、本屋の入り口あたりに『ロスト・シンボル』は、しっかりと陣取っています。かなり売れているようです。
ここまで紹介しておきながら、当の私は、まだ読んでいません。あれこれ他に読まなければならないものがあるので、意図的に手をつけていないというのが一番の理由ですが、流行本はブームが冷めた頃に読むのが私のスタイルでもあります。
『ロスト・シンボル』はフリーメイソンがテーマのようですが、虚実まぜこぜになって伝えられている組織であるだけに、ダン・ブラウンがどのような切り口で描いているのか気になりますね。彼は、この作品を書くために、3年以上かけてフリーメイソン関係のリサーチをしたようです。