小原On-Line

書籍・雑誌: 2010年2月アーカイブ

 前回の記事を書いた後に、実物がアメリカの自宅に届きました。あけて、びっくり。いや〜、実に盛りだくさんの情報です。美術・芸術の視点からキリスト教を理解するという試みは、かなりの程度成功していると思いました。これだけふんだんにカラー写真を使って、600円というのはお買い得だと思います。
 編集者の方に郵送していただいたことに対するお礼のメールを書いたところ、発売当日の売り上げが、最近の中では最高記録を出したとのこと。ヨーロッパなどの美術館や教会に関心はあるけれども、キリスト教のいろはがわからないという一般読者にアピールしたのだと思います。
 「キリスト教とは何か」という特集タイトルを見て、それが教義や歴史のことばかりだったら、たぶん、多くの人は購入にまでは至らないでしょう。色鮮やかなキリスト教美術や教会建築がちりばめられた紙面を見ると、よくわからないけど、おもしろそう!と思うかもしれません。ビジュアルは大事ですね。
 ちなみに、カトリックで絵画が発展したのも、まさにビジュアル志向だったからです。たとえ文字が読めなくても、絵画はメッセージを伝えることができます。プロテスタントがビジュアルなものから背を向けて、どちらかというとロジックの世界へと分け入ったのは、その時代の決断としては意味があったと思うのですが、多くのものを棄てすぎたような気もします。

 手元に届いた実物を眺めながら、ふと思ったことの一つは、これならキリスト教概説の教科書としても使えそうだ、ということです。もちろん、学問的な説明をきちんと付け加えていかなければなりませんが、教材としてはなかなか魅力的です。ちょっとカトリックに寄りすぎているかな(プロテスタントの教会建築の紹介が少ない)という印象はありますが。
 いずれにしても、いいものを作ってくれました。あらためて、おすすめします。

20100214.jpg
 雑誌 Pen の最新号(2月15日発売)が「キリスト教とは何か」を特集しています。Pen は美術系の雑誌なのでキリスト教美術が中心なのですが、トップページには次のような説明があります。

美しさに目を奪われるとき、そこに理屈は不要だ。
ただ直截的に感じればいい。
しかし──より理解を深めることで、
本質が見えてくることもある。
ヨーロッパの都市を訪れた際に、多くの人が
美術館や教会に足を踏み入れるだろう。
そして、古い芸術作品を目にして、こう感じるはずだ。
「キリスト教のことをもっと知っていたら、
より楽しめるのに......」
今号のPenは、どんな本よりもやさしく、
キリスト教を解き明かします。
おさえておくべきエピソードや歴史に残る名場面も満載。
これを読めば、西洋絵画や教会建築が
もっと面白くなること間違いなし!の完全保存版です。

 とまあ、「どんな本よりもやさしく、キリスト教を説き明かします」という具合に、自信に満ちた紹介文がありますが、その真偽を確かめる意味でも、一度、店頭で手にとっていただければと思います。
 美術関係以外のキリスト教の説明部分を私が監修しています。
 最初に拝見した原稿は、怖いもの知らずのような勢いがあり、どういう形で無難におさめたらよいか、けっこう悩みました。
 途中で気づいたのは、学問的な本から、信仰者向けの本をかなりごちゃ混ぜに参考文献として使っているということでした。「一般読者にわかりやすいように書きたい」という編集者の意向を最大限尊重しながら、やり取りを重ね、ようやく最新号の発行に至ったという次第です。
 私が担当した部分以外についてはまったく知りませんので、全体としてどのような雰囲気で仕上がっているのかは、今のところ、わかりません。キリスト教美術に対するよい入門書となっているはずですので、まずはご覧になってください。

■ Pen 最新号目次

 「あの人が iPhone を使う理由」、『DIME』(小学館)2010 No.04(2月2日発売号)を追加しました。
 DIMEの編集者から、最初、5つのお薦めアプリをあげるように、また、用意された質問に答えるように、と言われ、あれこれウンチクを書いて送ったのですが、最終的には全体のバランスの中で、超スリムにまとめられてしまいました。まあ、仕方がないですね。
 お薦めアプリとして残された二つは、GoodReader という各種ファイルの閲覧用アプリと、英英辞典の Oxford Delux です。
 ちなみに、上のリンク先で表示されている GoodReader のサンプル画面は、UCSBのキャンパスマップです。建物がたくさんあるので、このキャンパスマップは重宝します。
 Oxford Deluxはアプリとしては猛烈に高いですが、まあ紙の辞書を買うことを考えれば、リーズナブルかもしれません。つい数日前、ゼミでニーチェを読んでいたとき、出席者の間で、nihilism の発音の仕方が分かれました。ナイアリズムか、ニヒリズムか? Oxford Dictionary of English ではナイアリズムとなっているということで、発音を聞かせたところ、一同、納得。アメリカ英語の場合、どっちでもよいのでしょうけれど、一応、正式と言われる音声データは、意外なところで役に立ちました。
20100201.jpg 雑誌 DIME(小学館) の2月2日発売最新号に、私のちょっとした記事がのっています。私は実物を手にしていませんので、どういう形でのっているのかはよくわからないのですが。
 「今、みんなが『iPhone』に買い替える理由」という特集が組まれているようで、その中に出てきます。
 iPhoneのアプリなどについてかなり詳しく書いたのですが、原稿段階で、ライターの方によってかなりシンプルに切り詰められていました。したがって、かなり「軽い」感じのコメント記事になっていると思います。

■ DIME 最新号

 本屋に立ち寄られたら、手に取ってみてください。
 ちなみに、DIMEとういう雑誌、私は今までちゃんと中身を見たことがありません(笑)。
You are the
 th Visitor
 since 01/07/2004.

自己紹介

近  著

2013年10月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

月別 アーカイブ