小原On-Line

書籍・雑誌: 2006年9月アーカイブ

 PHP新書『原理主義から世界の動きが見える――キリスト教・イスラーム・ユダヤ教の真実と虚像』が発売になったようです。関心ある方は、お近くの書店、あるいはAmazonなどのオンライン書店でお買い求めください。

■Amazon 『原理主義から世界の動きが見える』
■PHP研究所 『原理主義から世界の動きが見える』

 本の概要は上記ページからご覧になれますが、小原克博 On-Line にも新規のページを追加し、「まえがき」全文を掲載しました。

■小原克博 On-Line 『原理主義から世界の動きが見える』

 このタイトル(書名)は、PHPからの強い提案があって決まったのですが、さすがにタイトルには並々ならぬこだわりを示しておられました。当初、こちらは「原理主義と一神教」など、けっこう堅調なタイトル案を出していたのですが、潜在的読者にアピールするタイトルを、ということで、上記のタイトルに落ち着いた次第です。
 「世界の動きが見える」とまで言えるかどうかわかりませんが、少なくとも、その補助的な役割を果たしながら、どのように見えている世界が「真実」に近いのか、「虚像」なのかについての理解を得ることはできるかと思います。

Php 本日、PHP新書『原理主義から世界の動きが見える――キリスト教・イスラーム・ユダヤ教の真実と虚像』が届きました。一般の書店にも15日頃には並ぶのではないかと思います。

 帯や内容紹介、各章の表紙写真などは、実物ではじめて見ました。
 う~ん、完全に9・11五周年をねらっている感じですね。帯には炎上するワールドトレードセンターの写真がのっています。
 表紙の裏には出版社が作成した「内容紹介」があるのですが、そこには「9・11から丸五年。・・・国際情勢を左右する三つの一神教を比較分析、時代を見る目を養う原理主義理解の決定版」とありました。
 決定版??? 著者もびっくりの、すごいPR文です。(^_^;) その言葉がどの程度真実かは、読者の判断にお任せするしかありませんが、関心のある方は、どうぞご覧になってください。

 山折哲雄『ブッダは、なぜ子を捨てたか』(集英社新書)を読みました。実は、『京都新聞』社から書評を依頼されたのが、この本を読むきっかけだったのですが、読み終わって、多くの人にお薦めできる本だと思いました。
 ブッダが、なぜ我が子ラーフラを捨てたのか、という疑問から始まり、ブッダの生涯、ブッダ没後の仏教の変転、日本仏教の特異性などが非常にわかりやすい言葉で綴られています。
 ブッダの教えや日本の宗教史を大づかみに理解したい人は、きっと満足できると思います。
 山折先生の著書の基調には、この本に限らず、「旅」が大きな役割を果たしていることを感じさせられます。山折先生と共に時空を越えた旅をする・・・ そんな読後感を与えてくれる書物です。

 9月号の『ナショナル・ジオグラフィクス』に掲載されている、マイヤー教授(『ユダの福音書』の翻訳者の一人)と中沢新一との対談の全文を次のページから見ることができます。
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/topics/marbin0906.shtml

 「ユダの福音書」は今やナショナル・ジオグラフィクス社の商業主義に乗せられている感がありますが、上記対談は、それなりに楽しめます。
 ユダの福音書に言及しているというより、むしろ、グノーシス主義を中心にした議論になっています。正統派の信仰と、後に異端とされたグノーシスが、どのような分岐点を持っていたかについて、ある程度理解を深めることができます。

 原理主義についての本をPHP新書として出すということを、このブログでも、すいぶん以前に紹介しておきながら、実際の刊行が今の今まで延び延びになってきました。

 タイトルは『原理主義から世界の動きが見える――キリスト教・イスラーム・ユダヤ教の真実と虚像』で、9月15に刊行予定です。長らくお待たせしました。

 編集上の都合もあったのですが、ここまでPHP側にここまで引っ張られたのは、9/11五周年に合わせようとしたのではないか、と勘ぐっています。発売時期のタイミングは売り上げに大きく影響するそうで、その方面は、PHPまかせにしていました。結果的に、予定よりずいぶん遅くなりましたが、ようやく目処が立ってほっとしています。

 原理主義に関する類書はいくつもありますが、ユダヤ教・キリスト教・イスラームそれぞれをつっこんで論究したものは、ほとんどありません。共著者の手島先生(ユダヤ教担当)、中田先生(イスラーム担当)の執筆部分、濃厚な味わいがあります。

 現在の国際情勢を表面的に追いかけるという類のものではなく、歴史研究をベースに論が展開されていますので、比較的長期にわたって読まれるのではないかと(勝手に!)期待しています。

 書店に並びましたら、ぜひ手に取ってみてください。

You are the
 th Visitor
 since 01/07/2004.

自己紹介

近  著

2013年10月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

月別 アーカイブ