小原On-Line

京都: 2006年11月アーカイブ

 時差ぼけがまだ残っていて、夜中に目が覚めてしまうので、朝早くからの労働はけっこうしんどいのですが、そういう事情はおかまいなく、「日韓神学フォーラム」の第2日目が行われました。
 前日、タイムテーブルを修正したので、2日目は第2セッションの後半からスタートし、第3、第4セッションを行いました。
 これまでのセッションもそうでしたが、あらかじめ発表者とコメンテーターの原稿を冊子にしているにもかかわらず、再度、それを読み上げたり、内容を繰り返したりする人が続出したため、なかなかディスカッションの時間を十分に取ることができませんでした。
061125_1  各セッションの司会者の采配によるところが大きいですが、あまりにもひどかったので、第4セッション(総合討議、司会は私)では、ストレートに苦言を呈しました。
 ディスカッションの時間を多く取ろう、ということで時間をかけて冊子を作ったのに、この有様はどういうことか、継続的に対話を行っていくためには、対話の作法・マナー(たとえば時間を守ること)が必要なのではないか、等々。韓国サイドの代表であるイ・ジョンベ先生が申し訳なさそうに謝っておられましたが、問題はもちろん韓国の側だけにあるのではありません。
 発表者だけでなく、参加者のできるだけ多くが、対話の主体者になっていく、という方向を目指すべきだと私は強調しました。
 内容的な質疑応答があった後、来年の開催テーマについて意見を交わしました。来年は韓国で、同じ時期に開催される予定です。テーマは今後詰めていかなければなりませんが、両国におけるキリスト教の受容・影響・課題といったものが大きな枠組みになりそうです。

061125_2  第4セッション終了後、神田先生(関西学院大学)の司式・説教による閉会礼拝がなされました。
 今回、全体としては、形式的な問題は先に指摘したとおりにあったにせよ、内容的には十分満足いくものでした。「民族」「ナショナリズム」をめぐって、両国の問題点を広く共有できたのではないかと思います。いずれにせよ、これほどの人数で、焦燥の課題について議論し合ったことはこれまでなかったわけですから、画期的なことと言ってよいでしょう。
 かなり疲れましたが、予定したプログラムを無事終えることができて、ほっとしました。

 ところで! 少しほっとして、その後すぐに、同日午後に依頼されていた講演のために、その会場に向かいました。経済学部の父母会の全国集会が同志社びわこリトリートセンターで行われており、そこで「ダ・ヴィンチ・コード」についての講演を行いました。

 今さら、「ダ・ヴィンチ・コード」でいいんですか?!と依頼者には問いを発したのですが、その内容で依頼されたので、素直に引き受けました。会場で100名程度集まった父母の方に、おそるおそる、「ダ・ヴィンチ・コード」の本も映画も見たことがない人に挙手を求めたところ、半数近い手があがりました。ブームが去ったこの時期に、まったく「ダ・ヴィンチ・コード」経験のない人に対して話をするのは、正直しんどいものがありました。

 ともあれ、ワシントンD.C.から帰国後、ほとんど休む間もなく、予定されていた仕事をこなし、ようやく一段落入れることができそうです。ふ~っ。(^_^;)

 本日、日韓神学フォーラムが開催されました。
 昨晩から今日の午前中まで、あれこれの準備をして、ぎりぎり間に合わせました。始まる前からフラフラの状態でした。
 開始時間は2:30だったのですが、何と、予定の時間になっても韓国の先生方が到着しないではありませんか。かなり焦りましたが、ようやく連絡が取れたところ、飛行機の発着が遅れたとのこと。
 でも、しっかり途中で、うどんを食べていたということは、日韓友好のために、日本人参加者には言うことができませんでした。(^_^;)

 30分遅れて到着したため、プログラムの時間割を急遽、組み直したものの、一人1分程度でとお願いしたはずのスピーチが何分にもおよび、タイムテーブルはもはや無茶苦茶の状態になりました。進行役としては、かなり気苦労の多い一日となりました。
 しかし、発表、コメント、議論はそれぞれ興味深く、有意義な初日となりました。何か結論めいたものが見えたわけではありませんが、両国でどのような関心事があるのかが、よくわかりました。

 以下は、二日間のプログラムです。

◎11月24日(金)

■開会礼拝
[説教] ソ・チャンウォン(監理教神学大学)

061124_1■第1セッション
[司会]チョェ・インシク(ソウル神学大学、韓国組織神学会・副会長)
[発表]
クォン・ジンクァン(聖公会大学) 「民衆神学の立場から」
西原廉太(立教大学) 「民衆的・公共的Local Ecumenismの可能性」
[コメント]
栗林輝夫(関西学院大学) クォン・ジンクァン氏に対して
シン・クァンソプ(監理教神学大学) 西原廉太氏に対して

(休  憩)

061124_3_1 ■第2セッション
[司会] 森 孝一(同志社大学)
[発表]
イ・ジョンベ(監理教神学大学)「抵抗的ナショナリズムから文化的ナショナリズムへ
―― 韓日の歴史を癒すためのアジア神学の模索:土着化神学の観点から 」
芦名定道(京都大学) 「日韓キリスト教神学と土着化――民族をめぐって」
061124_2 [コメント]
森本あんり(国際基督教大学) イ・ジョンベ氏に対して
イ・オガプ(キリスト神学大学) 芦名定道氏に対して

■レセプション
会場:アパホテル
[司会] 神田健次(関西学院大学)
[挨拶]
ムン・ソンモ(韓国基督教学会会長)
イ・ジョンベ(監理教神学大学、韓国組織神学会・会長)
芦名定道(京都大学)ほか

◎11月25日(土)

■第3セッション
[司会]キム・ドフン(長老会神学大学、韓国組織神学会・総務)
[発表]
キム・エヨン(韓神大学)「民族を越えて? 日韓関係改善のためのアジア神学の模索
――韓国女性神学者の視点から」
山下明子(同志社女子大学 講師)
「アジア女性神学の要件――批判的宗教対話と文化変容」
[コメント]
長谷川(間瀬)恵美(南山宗教文化研究所) キム・エヨン氏に対して
イ・ウンソン(世宗大学) 山下明子氏に対して

(休  憩)

■第4セッション(総合討議)
[司会] 小原克博(同志社大学)

■閉会礼拝
[説教] 神田健次(関西学院大学)

 ワシントンD.C.からデトロイト経由で無事、帰国いたしました。やはり帰りも遠かった(当たり前ですが・・・)。
 アメリカ東部時間に体内時計が調整されつつあったので、帰国した晩は、疲れているにもかかわらず、目がさめて、なかなか寝ることができませんでした。もう数日、こんな感じなのかもしれません。
 体内時計の事情とは関係なく、仕事はやってきます。
 11月24日~25日、日韓神学フォーラムが京都で開催されます。私は全体のコーディネーターなので、始まる前から気苦労が絶えません。
 韓国から31名もの神学者が来日されるという意味では、画期的な機会となります。日本からは50~60名ほどの参加者がいますので、全体としては90名ほどになります。

 やるだけの準備はやって、あとは活発な議論と交流が行われることを願わざるを得ません。

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