小原On-Line

講義・講演: 2006年5月アーカイブ

060523 韓国から帰国後、怒濤のごとく仕事に追われ、韓国での報告もままならず、今日まで来てしまいました。
 本日の朝日新聞朝刊の「同志社掲示板」に、私が関係する講演会の案内が出ました。
 よく考えると、いずれも日が迫っており、この広告を見て、ため息をついてしまいました。
 ぎりぎりにならないうちに、準備をしたいと思います。

 「ダ・ヴィンチ・コード」講演会については、先週金曜日の朝日新聞夕刊で紹介され、その後、毎日のように問い合わせの電話が事務室にあるとのことで、事務の方は「会場をもっと広いところに代えた方がよいのでは?」と心配されるのですが、「土曜日午前中なので、まあ大丈夫でしょう~」と楽観的返答をしています。さて、どうなることやら・・・

060516 予想以上にたくさんの人やメディア関係者がシンポジウムに参加されました。私も一応役目を無事果たすことができました。
 レセプションになって来場者の顔ぶれなどがわかってきたのですが、科学者や宗教関係以外の研究者の人がたくさんおられたのが印象的でした。
 右の写真は、レセプション終了後の記念写真。何となく、皆ほっとしたような(気が抜けたような)顔をしています。
 今回得た経験については、またぼちぼち報告いたします。

 オプス・デイについて、おもしろい情報を見つけたので、紹介します。
 まず、オプス・デイについての基本情報は下記のサイトで得ることができます。「ダ・ヴィンチ・コード」の中では得体の知れない秘密結社として描かれていますが、下記サイトは、何ともユーザーフレンドリーです。オプス・デイの信者になるにはどうしたらよいのか、などもQ&A形式で記されています。各国のサイトにもジャンプできます。

■オプス・デイ
http://www.opusdei.jp/

 おもしろい情報というのは次の記事。オプス・デイの機関誌がダンテの『神曲』に描かれている預言者ムハンマド(地獄にいる人物として描かれている)を掲載して、ムスリム団体から批判されました。「世界キリスト教情報」から関連記事を転載しておきました。
 その騒動に対する謝罪の記事です。しかし、おもしろいのは、同じ記事の中で、「ダ・ヴィンチ・コード」はオプス・デイをひどく描いている、と自分たちもまた犠牲者であることを語っていることです。秘密結社(?)らしからぬ弱気の姿勢に、かわいげを感じます。(^_^;)

■On the "Studi Cattolici" cartoon
http://www.opusdei.us/art.php?p=15087

◎伊カトリック誌もムハンマド風刺漫画掲載
 【CJC=東京】カトリック宣教団体『オプス・デイ』(神の手)の月刊機関紙『スチューディ・カットリチ』(カトリック研究)3月号がイスラム教の開祖ムハンマドが地獄にいる漫画を掲載したことに、イスラム教団体から激しく反発、バチカン(ローマ教皇庁)もいるという。
 漫画は、古代ローマの詩人ウェルギリウスがダンテ・アリギエーリの『神曲』でダンテと地獄、煉獄の世界を遍歴していく中でダンテに、「(体を)裂かれているのはムハンマドではないか」と尋ねると、ダンテが「そうだ。彼は社会に分裂をもたらしたから」と答えているもの。その中でパンツを下ろした人物をイタリアの対イスラム政策になぞらえた。
 世界ムスリム連盟イタリア本部は漫画を「極端な悪趣味」としバチカンのイスラム専門家ユスト・ラクンザ・バルダ神父も「対話と相互理解につながるとは思えない」と遺憾の意を示している。
 『オプス・デイ』は故教皇ヨハネ・パウロ二世によって「属人区」という独特の組織の形成を認められた。
 ムハンマドを風刺するイラストはこの2月にデンマークの新聞に掲載され、世界規模でイスラム教徒の反発を呼び、暴力事件にまで発展した。

 「ダ・ヴィンチ・コード」を批判する雑誌や本は世界中であまたと出ており、また、カトリック・プロテスタントを問わず保守系のキリスト教からの批判的メッセージも数え切れないほどあります。
 それらの論調はかなり似通っています。多くの批判者が頭に来ているのは、小説冒頭で「この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述は、すべて事実に基づいている」とダン・ブラウンが記している点です。そして、批判者の多くは、小説の各所にある事実誤認を指摘し、いかにそれが真実からほど遠いかを示そうとします。つまり、これほど事実に反する事項をたくさん有している本が、全体として正しいメッセージを発しているはずがないでしょう!ということを言わんとしているようです。

 確かに、私がはじめて読んだときも、首をかしげたくなるような箇所はいくつもありましたが、それで頭に来ることはありませんでした。日本の一般読者にとっては欧米で議論になっている点のほとんどは「???」でしょう。細部の事項について真偽判断をしたり、謎解きの続きをするのも結構ですが、やはり、もっと骨太な問題理解をしておいた方がよいと思います。

 では、多くの批判者がもっとも気にしているポイントとは何か。多くの批判者は「ダ・ヴィンチ・コード」をニューエイジ、あるいは現代のグノーシス主義として批判しています。こうした思想の蔓延を敵視していると言ってよいでしょう。
 この点について、後日あらためて触れたいと思います。

 昨日紹介した講演の趣旨において「ユダの福音書」に言及しました。
 「ユダヤの福音書」は一般紙などでもすでに紹介されていますが、今月号の「ナショナル・ジオグラフィック」が「ユダの福音書を追う」をテーマに20ページほどの特集を組んでいます。980円なので雑誌としては高めの値段ですが、他の記事もなかかな楽しめました。写真も、すばらしいです。

 東京近郊にお住まいの方は六本木ヒルズで開催中の「ダ・ヴィンチ・コード展」(4/28-6/23)に行くのも、よいかも。私も開催期間中に東京に行く機会があるので、時間があれば、のぞいてみたいと思っています。

 

「キネマ旬報」が「ダ・ヴィンチ・コード」についての特別号の刊行を予定しています。なぜ、こんなに早く知っているかというと、原稿を依頼されたからです。「ダ・ヴィンチ・コード」を読んだのは、かなり前なので、細部は記憶の彼方。登場人物すら、思い出せないような状況ですから、GW中にもう一度読むことになりそうです。
 ほかにも、GW中に書かなければならない原稿が三つも・・・(泣)

You are the
 th Visitor
 since 01/07/2004.

自己紹介

近  著

2013年10月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

講義・講演: 2013年10月: 月別アーカイブ

月別 アーカイブ