小原On-Line

小原克博: 2012年2月アーカイブ

 2月26日、天理大学で開催された「宗教文化の教材研究会」で「宗教文化を伝えるための素材と技法――テキストからリッチメディアまで」と題して研究発表をしました。この研究会は、科学研究費補助金基盤研究(B)「宗教文化教育の教材に関する総合研究」(研究代表 井上順孝)の一部として行われました。
 30名ほどの参加者があり、活発に質疑応答がなされました。私がこれまで取り組んできた授業教材について、素材と伝達技法の視点から紹介したのですが、具体例の前後に、ちょっとした理論的理屈付けを行った部分が、参加者にはよい刺激を与えたようでした。研究会後の懇親会においても、発表内容をめぐり、熱い議論が交わされたのは、ありがたいことでした。
 30分ほどの発表内容を下につけておきます。関心ある方はご覧ください。

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 2月26日、天理を訪ねました。天理大学で行われた研究会で発表することがメインの目的だったのですが、毎月26日は天理教の月次(つきなみ)祭が朝からあるため、それに参加しました。
 右の写真は本殿を正面から撮影したものですが、500畳の床面積がある巨大な本殿であるにもかかわらず、そこに入りきれないほどの参拝者がいて、驚きました。
 当日は底冷えのする寒さでしたが、本殿の回廊や他の建物、それらをつなぐ廊下、また、建物の外のパイプいすにも、参拝者がずらりと並び、天理教の力をひしひしと感じさせられました。
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 建物内部の撮影は禁止されていますので、その様子はお見せできないのですが、寒い中、畳あるいは床の上で正座し、重要な教えを繰り返し全員で唱和するというのは、身体的な一体感をともなうものです。
 体より頭を使うことを求められるキリスト教の礼拝とは対照的な要素を持っていると言えるかもしれません。
 「陽気暮らし」を目的とする天理教の教えは、とてもわかりやすいです。これが庶民の心をとらえ、また、今もなお多くの人々を魅了する要因の一つと言えそうです。

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 何万人という参拝者のお腹を満たす食堂が整っているのも、すばらしいです。右の写真は、食堂でいただいた定食ですが、ごはんおかわり可で、何と250円です。

 食事のあとには、天理参考館と呼ばれる博物館を訪ねましたが、ここも圧巻でした。世界中の民俗資料を収集しています。

 久々の天理訪問となりましたが、宗教都市・天理の魅力を再発見する機会となりました。

 「宗教と医療──高度先進医療に宗教倫理を」(『文化時報』2012年1月28日、2月1日、2月4日、2月8日)をアップしました。
 記者の方の質問に答える形で、胃ろう・尊厳死法案、iPS細胞などの問題に答えています。比較的わかりやすく、まとめられていると思いますので、関心のある方はご覧ください。
 『文化時報』は仏教系の新聞です(週2回発行)。
 日本で初めて、CISMOR が YouTube Edu(YouTubeの教育チャンネル)に登録されました。
下記ページのDの項目にありますが(Doshisha CISMOR)、上部タグの「日本」をクリックするとCISMORが現れます。


 先月、Google の担当者の方が、わざわざ私の研究室に来てくださり、YouTubeの教育分野における展開について話を聞き、また、私の KOHARA Channel と CISMOR の YouTube Edu への掲載について相談を受けました。
 まだ圧倒的に英語圏の大学・研究機関のものが多いので、今後、日本の大学のチャンネルが CISMOR に続いて出てくることを願っています。同志社も大学として機関決定して、YouTube Eduにのればよいのですが、道は険しいそうです。そもそも、動画コンテンツがそろっていませんので、そのあたりから議論を始めなければなりません。
 YouTube にしても Apple の iTunes U にしても、大学の講義コンテンツに積極的にアプローチし、発信のためのプラットフォームになっています。日本の大学が国際社会に通用する教育・研究を展開していくためには、このような流れにある程度乗っていく必要であると思います。
20120221.jpg 先日お知らせしましたように、2月18日(土)、京都国際会館を会場として、CISMOR主催の国際シンポジウムを開催しました。
 前日から、この冬一番の大雪となり、私自身、会場までたどり着くまで、かなり苦労しました。来場者の出足が心配だったのですが、250名もの方々が参加してくださいました。
 最初に八田学長から挨拶してもらい、私が趣旨説明をしたあと、4名のゲストの方々に講演をしてもらいました。それぞれ、本格的な話を展開されたので、この種の話に慣れない人には難しかったかもしれませんが、そこを何とか補おうと、パネル・ディスカッションでは、ポイントを再度まとめ直しました。
 共生、寛容、価値、正義といった様々な角度から(宗教間)対話の重要性が提起されていましたので、それを再確認しつつ、現実にあるマジョリティとマイノリティとの間の非対称な対話において何を気をつけるべきかという質問を投げかけました。マイノリティを脅威として見てはならない。マイノリティを通じて、自らのマイナス面を知ることができる。自らを学ぶためのチャンスとしてマイノリティに耳を傾けることが大切である、といった点が共有されました。
 この国際シンポジウムの前後に、午前・午後と二回にわたり、若手研究者の発表を中心としたクローズドな研究会を行いました。それぞれの発表に対し、ゲストの先生方が実に的確なコメントをくださり、非常に良い研究交流の場を持つことができました。
 今後、今回ゲストを招いたハートフォード・セミナリー(米国)、レオ・べック・カレッジ(英国)、ヘブライ大学(イスラエル)、マレーシア国際イスラーム大学の四つの海外研究機関と国際共同研究を展開していくことになります。
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 賛否両論があるようですが、3月7日で、YouTubeのすべてのチャンネルが、新テンプレートに強制的に移行させられます。
 そろそろ潮時かということで、KOHARA CHANNELも新テンプレートに移行しました。画面デザインも新テンプレート用にデザイン・レイアウトを変更しています。
 インターフェイスが新しくなることによって、確かに使い勝手が向上した部分があります。あとは「慣れ」の問題でしょう。
 KOHARA CHANNEL の動画再生回数が10万回を超えていることに気づきました。ご視聴感謝!
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 下記のように、国際シンポジウムが、今回は何と!京都国際会館で開催されます。お近くの方は、ぜひご来場ください。
 公開シンポジウムの前後には、非公開の研究会が予定されています。
 アメリカ、イギリス、イスラエル、マレーシアからスピーカーを招きます。かみ合った議論を展開できるよう、がんばりたいと思います(私は司会)。

CISMOR国際シンポジウム
「宗教の出会いがもたらす争いと豊かさ
 ― ユダヤ教・キリスト教・イスラームの記憶から未来へ」

日時:2012年2月18日(土) 13:00-15:30
場所:国立京都国際会館  京都市営地下鉄 烏丸線「国際会館駅」から徒歩5分
講師:
ヤフヤー・M・ミショット (ハートフォード・セミナリー 教授)
ジョナサン・マゴネット (レオ・べック・カレッジ 名誉教授)
ポール・R・メンデス=フロール (エルサレム・ヘブライ大学 名誉教授)
イブラーヒーム・ザイン (マレーシア国際イスラーム大学 教授)
【プログラム/スケジュール】
◆講演会
ゲストスピーカーによる講演
 ヤフヤー・M・ミショット 
 ジョナサン・マゴネット 
 ポール・R・メンデス=フロール 
 イブラーヒーム・ザイン
 
◆パネルディスカッション
パネリスト: 
 ヤフヤー・M・ミショット
 ジョナサン・マゴネット
 ポール・R・メンデス=フロール
 イブラーヒーム・ザイン
 小原克博(同志社大学 教授/CISMORセンター長)

※英語講演・同時通訳あり
※入場無料・事前申込不要
【主催】同志社大学一神教学際研究センター
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 先日、大学院のゼミ・コンパ&送別会を河原町で行いました。
 普段のゼミでは、なかなか高度な議論をしているのですが、このような場では、ラーメンはどこの店がおいしいのか等々、長い京都生活から培われたうんちくを語り合っていました。さすがに学生はよく知っています。
 京都はラーメンの激戦区でもあるので、よいお店がたくさんあります。ちょうど四条河原町の近くにも、おすすめのお店があるとのことで、二次会は路地裏のラーメン屋に移動。
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 見た目は、飾り気のない素朴なものでしたが、食べてみると、なかなかいけました。私は体重管理の都合上、普段は、こってりしたものを控えるようにしているのですが、ラーメンは時々、無性に食べたくなります。

 ラーメンの後は、学生おすすめの上島珈琲へ。黒糖コーヒーや生キャラメル・ラテなど、ユニークなコーヒーがたくさんありました。普段、この種のお店には行く機会がないので、感心することしきりでした。

 参加メンバーのうち、数名は就職や教会での働きのため、お別れとなります。名残惜しい方々ばかりですが、それぞれの新しい生活が順調にいくよう願わざるを得ません。
 About(自己紹介)に「担当科目一覧」を追記しました。数が増えてきて、自分自身でもだんだん把握できなくなってきたので、一覧として書きだしてみた次第です。もちろん、これを一年で全部やっているわけではありません。
 来年度の新しい科目としては、以下の4科目があります。

■組織神学演習1・8 (Theological Seminar in English)
 私の学部ゼミ生用の英語能力向上用のクラスです(4回生のみ)。卒論で扱うテーマを英語でプレゼンし、ディスカッションできるようになることを目指しています。

■一神教学際研究演習8 (Encounter of Japanese Culture/Religion and Monotheism)
 サミール先生と一緒に担当する大学院科目です(英語)。日本宗教と一神教の比較研究のようなクラスで、両方を一緒に学ぶことができる「お得な」クラスです。

■複合領域科目1 (国際政治と一神教)
 内藤正典先生(グローバルスタディーズ研究科)と村田晃嗣先生(法学部)と一緒に担当する学部2回生以上のクラスです。人が集まりすぎると困るので、月曜日1講時という悩ましい曜日講時に設定しています。おもしろそうな講義クラスです。

■研究安全と倫理
 4月から開講の大学院独立研究科の脳科学研究科に設置されているクラスです。学研都市キャンパスという、今まで一度も行ったことのない場所で行われます。どのような学生さんが来るのか、楽しみです。研究倫理、生命倫理、脳神経倫理(ニューロエシックス)などを教えます。

 これら新しい科目の他にも、どっさりと担当科目があり、新年度はかなりきつそうな予感です。うまく科目数を減らしたいと思うのですが、なかなか思い通りにはいきません。新しい科目には準備にも時間がかかりますが、やはり新しいことにチャレンジするのは楽しいです。
 4月になれば、シラバスが公開されますので、その時点で、新年度科目へのリンクを張りたいと思っています。
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 烏丸四条のCOCON KARASUMAにあるThe Buffet Style SARAというお店で、今年度最後のゼミコンパ&送別会を行いました。
 バイキング形式のお店だったので、みなさん、しっかりと食べていました。
 この時期、さすがに話題は就職活動に集中しました。ほとんどの方が一般就職を目指していますので、目下の会社説明会や試験・面接の話をあれこれ聞くことができました。
 早々に内定を得ることができれば、気持ちよく新学期をスタートすることができるのですが、実際には長引くケースも出てくると思います。学業を妨げる形で就職活動せざるを得ない現状については、大いに疑問を感じますが、どうしようもありません。うまく息抜きができるような工夫ができればと思います。
 別れと新たな出発の季節は、毎年、複雑な気持ちにさせられます。
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自己紹介

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