先日、神学部所蔵の踏み絵の謎を解くために、キリシタン研究の専門家・青山 玄先生(南山大学名誉教授)に来ていただき、ものを見ていただきました。
「踏み絵 in 神学部」(2.20記事)にも書きましたように、二つある踏み絵の一つに年代が記されており、西暦換算で1669年でした。あまりにも古いので、疑いの目をもって見てしまうのですが、青山先生によれば、本物の可能性が高い、ということでした。
踏み絵の実物は、日本でも現存しているものが非常に少ないということも、うかがいました。
キリシタン関係の文献の研究者は、ある程度いるらしいのですが、踏み絵を実際に鑑識できる人はもうほとんどいないとのことでした。
右上の写真の中央にいるのが青山先生、右が神学部の本井先生です。本井先生が持っているのは、神学部所蔵の「キリシタン禁制の高札(こうさつ)」です。キリシタン禁制の高札は、江戸時代から明治初期まで使われていました。この高札も年代を特定するのは難しいですが、おそらく幕末から明治期のものでしょう。風雨にさらされたようで、文字はかなりかすんでいます。
神学部所蔵の踏み絵は、十字架につけられたイエス(これがかなり一般的)と、幼子イエスを抱いたマリア(と想像されるもの)が刻まれていますが、踏み絵の絵柄はいくつかの類型があり、そこから、年代や出所などをある程度特定できるようです。
この踏み絵の由来をさらに詳細に探るために、次なる手がかりを求めてミステリーの旅は続きます。さながら、和製「ダ・ヴィンチ・コード」の様相を帯びてきました(笑)。
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