小原On-Line

小原克博: 2008年11月アーカイブ

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 雨が降ったり止んだりの天気が続いています。このような天候の時、私の近所では虹があちこちに現れます。一日に5つも、6つも見ることがあります。
 たぶん、比良山系と琵琶湖に挟まれた地形のせいで水蒸気が滞留しやすいのでしょう。

 右の写真は、その虹の一つです。写真で写すと肉眼で見たより虹の鮮明度は落ちるのですが、きれいないアーチがわかるかと思います。
 太陽光線が波長の違いにより分解されて複数の色合いを出すという光学的なメカニズムがわかっていても、やはり、きれいな虹を見ると不思議と心がおどるものです。

 右下に走っているのはJR湖西線の電車です。比良山からの強風で電車が止まることが多いです。下の歌でも出てくるくらい有名です(ローカルな次元ですが・・)。


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 11月21日、本願寺国際センターが主催する連続講座の第1回目の講演に参加してきました。今年は「浄土と現代──世界の宗教との比較において」という共通テーマが設定され、初回は徳永道雄先生が「現代における浄土観の諸問題」と題して話されました。
 徳永先生はキリスト教についても造詣が深い方なので、頻繁にキリスト教との比較を行いながら、「浄土」をめぐる現代的な課題を整理、説明されていました。
 何と言っても、こうしたテーマを設定する背景には、「浄土」「極楽」「天国」といった言葉が誤用されている実情があります。徳永先生が例としてあげられていましたが、仏式の葬儀の弔辞において「〜さんは天国から見守ってくださっています」といった言葉が聞かれるとのこと。この種の話は、確かによく聞きます。
 しかし、日常的に「〜はお浄土から見守ってくれています」とは言いませんね。で、そもそも「浄土」とは何なのか、ということが今回のテーマなのです。

 このシリーズの第2回目の講演を私が担当しています。「キリスト教における天国──古代世界から現代神学まで」という、とてつもないタイトルをあげているのですが、仏教(特に浄土系の仏教)との比較を交えて話をしようと思っています。

20081123.jpg 琵琶湖に愛犬と共に散歩に出かけました。いろいろな鳥が湖畔にはいるので、パンくずをもっていって、少しまいたところ、ゆりかもめの大群がどっとやってきました。ゆりかもめの嗅覚(あるいは視覚?)は、すごいです。
 100匹近いゆりかもめが群がってきましたので、愛犬たちもびっくり仰天で、ワンワンほえまくっていました。
 右の写真にも少し写っていますが、ゆりかもめの他に、鴨やカイツブリなども湖畔で見受けられます。
 ローカルTVの「びわ湖放送」では「知ったかぶりカイツブリ」がけっこう有名です。



 今のところ、何とか順調に「宗教から世界を読む」を KOHARA Podcasts (iTunes, castalia)に追加し続けています。第5回目まで到達しました。
 本当に忙しくなると、コンテンツ作成の余裕がなくなりそうですが、今のところは合間を見つけて、ぼちぼち続けることができています。
 時間の都合上、音声の収録は一発勝負でやっていますので、たかが20分程度とはいえ、結構緊張しながらやっています。とはいえ、だんだん慣れてきて、声もすっかりラジオ番組風に(ってことはないか)。
 メッセージを正確に伝えるにはブログのようなテキストの方がよいのですが、Podcastでは、テキストではとても書く気が起こらないほどの量の内容を話すことができます。多少、不正確さや、繰り返しの冗長さがあったとしても、一気に伝えたいことを伝えることができるのがPodcastの魅力かもしれません。

 テキスト文化と音声文化はいずれも大事です。インターネット上の情報の基本はテキストなので、声での語りの大切さもしっかりと意識していきたいと思っています。

 ちなみに、オバマ氏は、change.gov で、YouTubeを使ってアメリカ国民に呼びかけています。同じ内容をテキストとして読むのと、動画(音声)として聞くのとは、だいぶ印象が変わってきます。大統領が YouTubeを使って肉声を人々に届けることができるというのは、すばらしい時代の恩恵だと思います。
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 学部のゼミが終わった後、ゼミ生たちから誕生日の祝福とともに誕生日プレゼントをいただきました。
 11月20日が誕生日なのですが、自分では、すっかり忘れていた中のサプライズでした。
 私の誕生日を覚えてくれていただけでも、学生たちの心優しさを感じますが、帰宅してから、包みを開封していくと何とも気の利いたプレゼントが入っていました(右写真)。
 最近のブログ記事にガンプラ(=ガンダムのプラモデル)の話題がないことに気にしてくれて、何と最新のガンプラが二つもありました。また、アニメ・ネタとして、私がしばしば言及するエバンゲリオンのキャラクター・フィギュア--もありました。実につぼをついたプレゼントで、いたく感動しました。
 ほかにも、羊型湯たんぽ等々、いろいろなものがありました。写真のようなプレゼントだけを見れば、それを贈られた人は、かなりオタク系の人であると思われるでしょうね(笑)。実際に、かなりの程度そうですが・・・

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 色紙も手渡されました。それぞれのメッセージもさることながら、そこに描かれていたイラストが実に秀逸で、これまた感動。プロの漫画家を目指しているだけに、さすが!という感じです。左の写真は、そのイラスト部分をスキャンしたものです。

 このような感動をいただくと、年をとるのも悪くないと思いますね。

 KOHARA Podcasts に新しいコンテンツ「大統領選挙から見えるアメリカの精神的源流」を追加しました。
 なるべく短くまとめようと思ったのですが、結局40分という長いものになってしまいました。動画が入ったりしているので飽きない構成になっていると思うのですが、関心ある方はご覧ください。
 このコンテンツも iTunes での利用を前提にして作っていますが、iTunesをインストールしていない方でも、KOHARA Podcasts on castalia からご覧いただけます。ただし、iTunesと比べると動画(画像)がかなり小さくなってしまいます。

 Hello, Chicago! という呼びかけによって、11月4日夜、シカゴ・グランパークでのオバマ氏の演説が始まりました。
 演説の一部は、日本のテレビでも繰り返し放送されていますが、やはり全体を聞くことによって、オバマの真骨頂に触れることができると思います。幸い、演説のスクリプトが公開されていますので、聞くのが苦手な人は読むことができます。


 演説全体は少々長いですが、オバマの考え方を知る重要ポイントとして以下の2カ所を抜き出しました。
 なぜ、この2カ所が重要かということは、後日、KOHARA Podcasts で語りたいと思います。

It's the answer spoken by young and old, rich and poor, Democrat and Republican, black, white, Hispanic, Asian, Native American, gay, straight, disabled and not disabled. Americans who sent a message to the world that we have never been just a collection of individuals or a collection of red states and blue states. We are, and always will be, the United States of America.

To those -- to those who would tear the world down: We will defeat you. To those who seek peace and security: We support you. And to all those who have wondered if America's beacon still burns as bright: Tonight we proved once more that the true strength of our nation comes not from the might of our arms or the scale of our wealth, but from the enduring power of our ideals: democracy, liberty, opportunity and unyielding hope.


 無事、帰国しました。シカゴからデトロイト経由で中部国際空港に到着したときに、オバマ勝利のニュースを確認しました。
 空港で待っているとき、テレビを通じて、各地で投票のための長い行列ができている様子を見ていました。シカゴを朝7時に出発するときにも、市内で長蛇の列ができており驚いていたのですが、場所によっては、6時間待ちもあったとのこと。日本であれば、30分も待たされれば、投票せずに帰ってしまう人が続出するのではないでしょうか。やはり、アメリカの場合、自分たちが大統領を選んでいる、国作りに関わっているという意識が非常に強いことを感じさせられました。
 帰国後、シカゴのグラント・パークでのオバマ氏の演説を聞いて、あらためて、アメリカが新しい歴史を刻もうとしていることを再確認することができました。現政権から引き継がれる難題が幾重にも待ち構えていますが、「変化」の第一歩を踏み出したことは間違いありません。
  Congratulations!

 現在、現地時間で11月4日の0時を回ったところですが、数時間後には、シカゴのオヘア空港に向かい、帰国の途につきます。

 今回のアメリカ宗教学会では、旧知の方々と再会できただけでなく、アメリカにおける宗教研究のレベルをある程度見極めることができたのは収穫でした。トップレベルの人たちが交わす緻密な論議には学ぶべきものが多くありました。同時に、まだこの程度の議論をしているのかと思うこともありました。いずれにせよ、国際社会の中で自分の研究レベルを検証するのは大事なことです。

 ようやくjet lag(時差ぼけ)に慣れてきた頃に、しかも、大統領選挙の結果を見ずして帰国するのは残念なのですが、いずれ明らかになる選挙結果の分析などは、帰国後、じっくりと行いたいと思っています。既存の宗教勢力や、new votersと言われる若年層の投票行動が、選挙結果にどのような影響を与えるのかは興味深いところですが、これもふたを開けてみなければ、まだ何とも言えません。

 アメリカの変化は世界にも変化を与えますので、引き続き、動向に注目していきたいと思います。
081103a.jpg 日本ではすでに11月4日になっていますが、こちらは11月3日夜、すなわち、大統領選挙前夜を迎えています。
 シカゴでは、オバマ氏が勝利した場合には、10万人規模のお祭り騒ぎになるようで、すでに部分的にはその準備が進められています。冗談半分ですが、もしオバマ氏が負けたら、大暴動が起こるだろうとも言われています。
 お祭り騒ぎを見る直前に帰国しなければならないのは、本当に残念ですが、学期のまっただ中ですので仕方ありません。

 今日の午前中、シカゴの南部にある右の写真の教会を訪ねてきました。なんともタイミングよく、boxerconanさんがコメントで触れてくださっているのですが、この教会は、選挙前夜の今もマケイン候補の口から繰り返し語られているジャレマイヤ・ライト牧師の教会です(現在は引退牧師、下の看板では今も現役のようになっていますが)。
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 Trinity United Church of Christというアフリカン・アメリカンの教会で、もともとは同志社と同じ会衆派(congregational)の教派的背景を持っています。オバマ氏は、ここに20年以上通い、また、彼が21歳の頃、ここでライト牧師から洗礼を受けています。

 マケイン候補が、ライト牧師の過激な発言のビデオ映像を流し、それとオバマ氏とをたぶらせようとするのは典型的なネガティブ・キャンペーンのやり方です。簡単に言うなら、「白人にこれほど敵対的な奴をアメリカ大統領にしていいのか、いいはずないだろう」ということをマケイン氏は訴えようとしているようです。
 リベラルな層には、この手のネガティブ・キャンペーンがまったくの逆効果であることは、boxerconanさんのコメントにある通りです。しかし、浮動票の中核となる態度不鮮明な層にとっては、このような愚直な批判の仕方が、意外と効果を発揮するかもしれません。ここが選挙のこわいところです。マケイン氏は、まさに最後の賭に出ていると言えるでしょう。

 さてさて、どうなることやら。私もアメリカのChangeを強く求める者の一人ですが、今回の選挙は、まさに古いアメリカと新しいアメリカの戦いです。変化を求める人が多いのか、変化を嫌う人が多いのか、選挙の結果が教えてくれることになります。
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 KOHARA Podcasts に新しいコンテンツ「世界の街角から No.1」(シカゴから)を追加しました。
 iTunesで見ていただくと、アートワークにシカゴの風景が順次出てくるように作っています。

 iTunesをインストールされていない方は、以下のページからご覧いただけます。

 シリーズ化する予定ですが、言うまでもなく、頻繁に「世界の街角から」を追加できるほど海外に行くわけではありませんので、No.2がいつ出るのかはわかりません。気長にお待ちください。
081101a.jpg シカゴは摩天楼の建ち並ぶ大都会でありながら、ビル群とミシガン湖との間には緑豊かな公園が続いています。その公園の一部に、ミレニアム・パークがあります。
 右の写真はミレニアム・パークのシンボル的な建造物です。継ぎ目のない球面が、周辺のビル群や周辺の人々を映し出しています。

 アメリカ宗教学会が本格的に始まり、全米および世界の各地から宗教研究者たちが会場に集まってきています。
 今日の午前中は、宗教教育の国際比較のセッションに参加しました。同僚の森先生が日本の事例発表をされることになっていたので、パソコンのセットアップを手伝ったりしながら、私も妙に緊張しながら参加しました。

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 夕方からは、私の教え子であり、現在、上智大学に在籍しているアレック・ラメイさんと久しぶりに会い、彼のシカゴ時代の友人が経営しているというタイ・レストランに出かけてきました。30代前半の若い女性なのですが、大きなお店のオーナーをしています。彼女がタイからアメリカに出てきてからの苦労話を聞きながら、タイ風アジア料理に舌鼓を打ちました。
 このお店でも、オバマ人気は健在でした。大統領選挙が間近に近づき、時代の変化を期待している人々の声があちこちで聞こえてきます。

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 恐竜ばかりが骨をさらされているのは不公平なので、ヒト科(hoiminid)にも登場してもらいたいと思います。
 なんとシカゴのField Museumには、有名人ルーシーがいます。ルーシーは300万年前のヒトです。
 このように書くと、おそらくアメリカの創造論者(creationist)を怒らせることになりますが、この博物館では、はっきりと進化論を前面に打ち出し、その中にヒトも位置づけています。

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 左の写真がルーシーです。およそ300万年前にアフリカの地で生きた彼女が、まさかシカゴに連れられてきて、人目にさらされることになるとは夢にも思わなかったことでしょう。

 こちらで今日(10月31日)は、朝から Religion & Media Workshop に参加しました。けっこう有名な方々がパネリストで出ていたのは、よかったのですが、内容的には、ほとんど知っていることばかりで、あまり刺激がありませんでした。もうちょっと突っ込んだ分析が聞けると思ったのですが。
 選挙結果が出てからであれば、出口調査に基づいた分析ができるのですが、直前のこの時期では、なかなか思い切ったことが言えないという難しさもあります。
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 小グループでのディスカッションもあって、それは楽しむことができました。しかし、アメリカ人は、自分たちが外部世界からどのように見られているのかの分析力が弱いのではないかとたびたび感じ、実際、そのような苦言も呈しました。

 シカゴの紹介が、骨ばかりでは申し訳ありませんので、右の写真をつけておきます。これは Field Museumの正面から町の中心地を撮影したものです。摩天楼がそびえ立ち、その右側にミシガン湖が見えます。ミシガン湖沿いに町の中心まで散歩していきました。人工物と自然との調和がとれた、よい町です。


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近  著

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