小原On-Line

小原克博: 2008年6月アーカイブ

080628.jpg 6月27〜29日、大阪・京都で開催されるG8宗教指導者サミットの第二日目のプログラムに参加しました。今日の会場は、同志社の新島会館でした。

 一部新聞などでも報道されているように、宗教サミットは関西と札幌の分裂開催となりました。その事情についての説明は、次の記事でも紹介されています。


 現在、店頭で販売中のニューズウィークは「ニュースを読み解く 世界宗教入門」を特集しています。キリスト教の部分は私が監修しました。以下のようなキャッチコピーによって紹介されています。

チベット弾圧、米大統領選、中東和平......もはや宗教の正しい知識なくして世界は理解できない。信仰を通して国際情勢を見てみると

 ニュース的なトピックスを扱っているので、それぞれの宗教を知る上ではつまみ食い的な感じもしますが、テーマの選択はなかなかバランスがとれていて、世界の宗教状況を大づかみにするには、かっこうの素材となっています。
 関心ある方はお買い求めください。


20080617.jpg 先日報告した蜂の巣(→2008/6/8記事)が、コガタスズメバチの巣と判明したため、泣く泣く(?)巣の撤去作業を行いました。小型とはいえ、スズメバチには違いありません。放っておくと、働き蜂が生まれて、巣がどんどん大きくなっていくそうです。
 親蜂の襲撃を警戒しながら除去作業に入りました。幸い、親蜂は巣の中にはおらず、また、除去作業中にも帰ってこなかったので、事なきを得ました。
 親蜂には気の毒ですが、人気のないところで、新たな巣作りに励んで欲しいと思います。

 右の写真は、落下して割れた巣の中身を撮影したものです。幼虫が6、7匹かえっていました。
 除去作業の様子を YouTube にもアップしましたので、関心ある方はご覧ください。親蜂の襲撃を警戒しながら、けっこう緊張した作業となりました。

 「Essays - 新聞・雑誌記事等」「モンスターとの戦い方」(「現代のことば」)(『京都新聞』2008年6月10日、夕刊)を追加しました。
 このブログでも以前取り上げたことがありますが、今時の小中高校生に平和主義を教えることの大切さと大変さを、ひしひしと感じていることが、上記記事執筆の動機となっています。

 先日、九条の会主催の講演会に参加したことを紹介しました。私にとっては貴重な機会だったのですが、やはり来場者の平均年齢はきわめて高かったように思います。ひょっとすると、私が最年少参加者であったかもしれません。
 大人が互いに励まし合い、非戦への思いを新たにするのは、もちろん大事なことです。しかし、そろそろ、その思いを若い世代にどのように伝えるか、具体的な方策を取らなければ、手遅れにならないとも限りません。
 残念ながら、現在の公立学校での平和教育は、急速にテンションが下がってきているように思います。学校任せにしておけない時代に入っていることを認識すべきだと思います。

20080608-1.jpg 窓の外にいつの間にか、このようなものができあがっていました。大人のこぶしを一回り大きくしたようなサイズですが、実によくできていて見とれてしまいました。
 模様も入っており、さながら縄文式土器のようです。

 もちろん、これは蜂の巣なのですが、ちらりと一瞬姿を見ただけなので、どのような種類の蜂なのか、まだわかりません。おそく、専門家であれば、巣を見るだけで蜂を特定することができるのでしょう。
 少なくとも、スズメバチではありませんので、あまり危ないとは思っていないのですが、家人の中には危ないから取り外せ、という人もいて、悩ましい状況です。

20080608-2.jpg 左の写真は、キーウィの赤ちゃんです。親指ほどの大きさです。
 最近、雄花と雌花がタイミングをずらして咲きました。本当は、人工授粉しなければならないのですが、あれこれ忙しい日々を送っている内に放りっぱなしになっていました。しかし、おそらく虫たちが受粉してくれたのでしょう。かわいらしい実が、でき始めています。
 今年は、どれくらいの収穫になるのか運任せですが、楽しみです。
 
080607.jpg 6月7日(土)、山室信一氏(京大教授)による講演会「明日につなぐ憲法9条の水脈」に出かけてきました。これは、私の地元にある堅田「九条の会」が設立3周年を記念して行ったものです。
 私はこの会の「呼びかけ人」の一人でありながら、これまで土曜日の会合にはほとんど出席できないでいました。今回は、3周年であり、かつ、山室先生の講演ということもあり、万難を排して出席した次第です。

 2時間にわたり、緻密な思想史的紹介、憲法論議を展開してくださり、大いに刺激を受けました。田中正造をはじめ戦前の非戦主義者をとりあげ、それが9条の思想的水脈となっていることを紹介してくれました。
 とても全体をまとめることはできませんが、印象に残った言葉の一つは「憲法は器であり、問題はそこにどのような内容物を入れるかだ」という言葉です。
 憲法前文から導き出される「平和的生存権」は、護憲派にとっては戦争放棄を意味しますが、改憲派は自衛隊の存在根拠とします。同じ文面から、まったく異なる意味解釈を引き出すことができるからこそ、条文に安心しないで、論理を戦わせ続ける必要がある、とのことでした。

 講演の後の質疑応答では、真っ先に手を挙げて、質問しました。9・11以降のグローバル・テロリズムの脅威や中国の軍事大国化などの時代状況の中で、9条を解釈する文脈が大きく変わってきていることを指摘しました。そのあおりをもっとも強く受け、また、ゲーム感覚で戦争を見ている若い世代に対し、どのように9条のリアリズムを伝えることができるのか、という自問自答のような質問を投げかけました。
 もう一つの質問は、天皇制、ナショナリズム、愛国心との関係で、9条をどのように位置づけるべきか、というものでした。
 非常に丁寧に、また時間をかけて質問に答えてくださり、また、私が先日『朝日新聞』の「60歳の憲法と私」に書いた文章もご覧いただいていたということで、恐縮しきりでした。

 全体が終わった後、持って行っていた山室先生の『憲法9条の思想水脈』(朝日新聞社)にサインをしてもらいました。
 「水脈不断」との一筆があり、山室先生の信念の一端をかいまみた思いがしました。
080605.jpg 上記タイトルの講演を無事、終えることができました。Keynoteによるプレゼン作成は、結局、夜中の2時半頃までかかりました。慣れないことをすると、やはり時間がかかります。しかし、集中して試行錯誤したせいもあって、短時間の内に、Keynoteの中級者レベルくらいまでいったのではないかと思っています。

 講演終了後、多数あったブースを見て回りました。教育関係の機器やソフトが一堂に会していますので楽しめました。
 ジャストシステムには、得意の日本語処理技術を生かして、学生レポートの真偽チェックができるようなサーバ・アプリケーションを作ってくれ、と注文しておきました。手応えありましたので、今後、進展があるかもしれません。

 上の写真は、ホテルの部屋からの眺望を撮影したものです。右端に東京タワーの先端がかすかに写っています。
 明日講演をする New Education Expo 2008(東京)のために、会場となる東京ファッションタウンから至近距離にある有明ワシントンホテルに宿泊しています。
 東京ベイエリア、なかなかいい感じです。ひさしぶりに「ゆりかもめ」に乗って、お上り気分で車窓を眺めていました。
 ゆっくり休みたいところですが、これまで多忙のため、明日の講演資料作りがまだできていません。今、猛烈にスパートをかけてプレゼンを作っているところです。
 「ユビキタス・ラーニングを目指して――iPod/Podcastを活用した授業配信事例」というタイトルで40分程度話をする予定です。同志社大学Podcast での取り組み事例などを紹介します。iPodというアップル製品を取り扱う関係もあり、プレゼンもマイクロソフトのパワーポイントではなく、アップルのKeynoteというソフトを使います。
 気配りはいいのですが、Keynoteはまだ使い慣れていないので、けっこう試行錯誤しています。明日までには何とかなることを願いつつ、東京ベイから近況を報告しました。(^_^;)
 
 トニー・ブレア(前英国首相)が、Tony Blair Faith Foundation を設立しました。詳細は次のサイトをご覧ください。

■Tony Blair Faith Foundation
http://tonyblairfaithfoundation.org/

 宗教間対話のセンターです。世界の主要宗教の間の相互理解を促進することが目的とされていますが、関わっているメンバーを見ると、ユダヤ教・イスラーム・キリスト教の間の相互理解に優先順位がおかれているようです。
 世界には宗教間対話のための組織は数え切れないほどありますが、宗教指導者ではなく、プロの政治家が、こうしたセンターを組織・運営するのは前例がないのではないでしょうか。
 その点では、他にはないユニークな貢献がなされることを期待しています。まだ具体的なことは何もなされていませんので、まずはお手並み拝見、といったところでしょうか。

 トニー・ブレアについては、最近の私の論文「宗教多元主義モデルに対する批判的考察――「排他主義」と「包括主義」の再考」でケース・スタディとして取り上げ、彼の論文を批判的に検証しています。
 上記サイトのトップページにもかかげられていますが、ブレアの目指す "Global Good" (グローバルな善)が、どの程度共感を呼び、広く受けとめられるかが焦点になりそうです。
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