小原克博: 2007年11月アーカイブ
二日目、第4セッションでは、ホ・ホイク先生が「韓日における伝統的神観とキリスト教受容の比較」と題して話されました。簡単にいってしまえば、韓国には唯一神に近い「ハナニム」という神理解がキリスト教の受容を手助けしたのに対し、多神教的色彩の強い日本では、キリスト教の神理解が受容されにくかった、という論旨でした。
日韓神学フォーラム2007が、宗橋教会(光化門)で始まりました。宗橋教会は、韓国で二番目に古いメソジスト教会です。
今年のテーマは「日韓両国のキリスト教受容」がテーマです。
サンディエゴから長旅を経て、ソウルに到着しました。ロサンゼルスからソウルまでは13時間かかりました。
インチョン国際空港でドルをウォンに換えようと並んでいると、横に何と芦名先生(京大)が立っているではありませんか。聞けば、他の方々も同じ時間帯の便で到着するということなので、しばらく待っていると、神田先生(関西学院大学)をはじめ、日韓神学フォーラムに参加する方々6名ほどが姿を現しました。
明日早朝に、サンディエゴからロサンゼルス経由でソウルに向かいます。
サンディエゴも朝晩はかなり寒くなってきましたが、ソウルは、はるかに寒いでしょうね。ソウルでは、日韓神学フォーラムに参加します(司会があたっています)。
今日は午前中、日本宗教のセッションに参加しました。日本宗教を講義する際に、映像をどのように効果的に使うか、ということがテーマになっていました。
午後、アメリカで一番と言われているサンディエゴ動物園に行きました。さすがに大きい! 大きいだけでなく、細部においていろいろな工夫がなされていました。
アメリカ宗教学会には1万人以上の出席者が来ており、会場も数え切れないほどあり、分散しているので、知り合いに偶然で会うということは、確率論的には非常に低いはずなのですが、奇跡的といってもよい形で、ばったりと旧知の方とお会いすることがあります。
今日参加したセッションの一つに、Sustainable Theological Education というテーマのものがありました。John Cobb, Rosemary R. Ruether, Sallie McFague といったアメリカを代表する大物神学者がパネリストとして名を連ねていましたので、これはぜひ参加したいと以前から思っていました。
これらの人物は、いずれも、1980年代頃からすでに環境問題を神学の課題として強く意識しており、そのスピーチも緊迫感に満ちた説得力あるものでした。
家を出てから、サンディエゴのホテルに到着するまで、22時間(!)かかりました。
今回は、飛行機の便の都合上、成田経由だったので、本当に長旅になりました。ロサンゼルス経由だったのですが、ロサンゼルスからサンディエゴまでは、30人乗りの小型プロペラ機でした。
日本とアメリカ西海岸の時差は17時間。16日早朝に出発し、こちらについたのは16日正午です。完全に昼夜逆転なので、慣れるまでちょっとつらそうです。慣れた頃には、韓国に行っていると思いますが・・・(^_^;)
ともかく、少し休憩してから、付近を散策してみたいと思います。
今日から、アメリカ宗教学会に出席するため、サンディエゴに出かけてきます。その後、日韓神学フォーラムに参加するため(司会担当)、ソウルに行きます。
ばたばたとあわただしい中での出発になります。
小原克博 On-Line に「「宗教」概念の形成――近代から見える現代の課題」(『中央評論』59巻3号)を追加しました。中央大学が発行する総合誌です。今回の号では「宗教研究の現在」という特集が組まれています。
また、現在、店頭に並んでいる『大法輪』12月号に「生命倫理に対し宗教は何ができるか」を寄稿しています。『大法輪』は仏教系総合誌として有名ですが、8万部出ているそうです。キリスト教系の雑誌とは、文字通り桁が違います。こういう部数を見ると、仏教徒が日本宗教のマジョリティであることを痛感させられます。
今日、同志社の寒梅館ハーディーホールで、映画「夕凪の街 桜の国」を見てきました。木曜日に映画上映等をするWOTというプログラムの一環です。同志社関係者は無料、一般の方も格安で映画を見ることができます。
この映画は、マンガの「夕凪の街 桜の国」を原作として作られました。原作のマンガについては、このブログでも以前紹介したことがあります。
映画、なかなかよくできていいました。田中麗奈、麻生久美子など配役がよかったです(もちろん演技も)。
この夏に映画館で上映されたのですが、見逃してしまいましたので、今回、同志社で見ることができたのはラッキーでした。
原作の漫画とともにおすすめします。
■映画「夕凪の街 桜の国」
http://www.yunagi-sakura.jp/
Ecumenical News International (Geneva)
の最新記事に、私のコメントが掲載されましたので紹介します。記事の最後の方にあります。
この記事は、最近、日本緊急医学界から出された「終末期医療に関するガイドライン」に関連する反応を扱っています。この種の記事が、国際社会から見て、
意味があるのかどうかよくわかりませんが、日本の現状が少しでも世界に伝えられるのは望ましいことだと思います。
■Ecumenical News International
http://www.eni.ch/featured/article.php?id=1350
■日本緊急医学界:終末期医療に関するガイドライン
http://www.jaam.jp/html/info/info-20070925.htm
今夕は、Zikmund先生ご夫妻、森先生と共に寒梅館で会食しました。
話題は多岐にわたりましたが、その中には来年の大統領選挙のことが出てきました。これまでと異なる変化がいくつかすでに出てきていますが、一つは福音派(宗教右派)が分裂気味であること(よく言えば、多様化しているとういこと)、もう一つは、環境問題に対する意識が保守層の間でも高まっている、ということです。環境問題は大統領選挙の論点の一つになりそうです。
福音派の一部が Creation Care をキーワードに環境問題に取り組み始めているのは、Zikmund先生にとっても信じがたいほどの変化だ、ということでした。
今日は、私の大学院のクラスで、来日中のBabara Zikmund先生に Religion and American Society と題して話しをしてもらいました。
アメリカの地理的特性と文化的・宗教的差異の関係や、日本と比較する形でアメリカの宗教の特徴を話してくださいました。アメリカ初期の教派形成から、最近の話題までを短い時間でうまくまとめてくれました。アメリカの宗教を語る上での近年の重要トピックスとして、Zikmund先生が取り上げたのは次の4点でした。
1)女性の役割
2)生命の尊厳
3)セクシュアリティ(同性愛・同性婚)
4)イラク戦戦争
セクションごとに私が要約的に通訳しました。1時間ほどの講義のあと、学生たちから活発に質問が出されました。話しをよく聞いてくれていたようで安心しました。
夕方から、CISMORの事務局スタッフの方々と、国際ワークショップの慰労会ということで、京料理 木乃婦に出かけました。右の写真は料理の一品。もみじや、栗があったりで、秋の風情を感じさせられます。
このお店は烏丸四条から歩いて5分ほどの奥まったところにありますが、古くからある有名なお店です(らしいです)。HPはフラッシュ多用で凝っています(懲りすぎ?)。しかし、お店の雰囲気がよくわかります。
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