小原On-Line

小原克博: 2006年10月アーカイブ

 10月28日(土)、光華セミナーで「キリスト教の歴史と文化」というテーマで講義をしました。

 90分×2という形で行われたので、通常の講演会に比べれば、ずいぶん時間的余裕はあるというものの、「キリスト教の歴史と文化」という大きなテーマを限られた時間でやるには、かなり内容の圧縮を行わざるを得ませんでした。

 こういう概論をたまにやると、一般論を語りながらも、自分にとっての重点項目が何であるのかが明確になるので、おもしろいとも言えます。

 講義中、たびたび「光華セミナー」の趣旨に言及しました。

「文化」は人間の精神的営為の所産といえるが、思想・倫理・規範・組織などのすべて を包括して人間の一生の指針となる宗教文化は、その極に位置するであろう。今、地域と時代の二つの座標軸の交差点に登場したさまざまな宗教文化を概観することによって、仏教の究極態とも考えられるわが「真宗文化」の意味と価値の検証を果たすことが、本セミナーのねらいである。なお2007年には、続編として「日本の宗教と文化」を開講する予定である。

 皮肉な意味ではなく、「真宗文化」に対するストレートな自負心があふれていたので、それをとりあげました。そして、講義を「この信念をぜひ社会や世界にわかるように伝えてください」と締めくくりました。

 講義を録音したのですが、音声があまりよくありませんでした。うまく処理できれば、いずれアップしたいと思っています。

 

Internet Explore 7 が出たので、インストールしてみました。大きなバージョンアップとしては、5年ぶり(?)らしいですから、そののんきな開発ペースは、いかにマイクロソフトがこの分野のシェアーを独占しているかを語っているとも言えます。
 確かにずいぶんよくなりました。普段、Firefoxを使っている者としては、かなりFirefoxに似てきた(真似した)という第一印象を持ちました。と同時に、負けるなFirefoxという声援を送りたくなりました。どの分野も、マイクロソフトの一人勝ち、というのではおもしろくありませんからね。

 今日の新聞で、Windows Vistaの発売時期や価格などが紹介されていました。高いですね~。薄利多売で十分稼げるのですから、もう少し安くしてもよいと思いますが。OSに数万円もかかってしまうというのは、すんなりとは納得できませんね。がんばれ、MacOS!と言いたくなってしまいます。

 今日は、定期健康診断の日でした。胃のX線検査(バリウムを飲んで、機械で回転させられる検査)も含め、いろいろな検査がありました。
 実は、昨年、尿酸高値で少しひっかかりながらも(ボーダーライン上)、その後、放ってきたので、この点が一番気になります。
 改善のためにはプリン体ができるものを控える必要があるのですが、プリン体を大量に含む代表的なものがビールです。みずから率先して飲むことはあまりないのですが、付き合い上、ついつい飲んでしまいます。なんと、今晩も飲んでしまいました。(^_^;)

 さて、結果はどうでるか?!

小原克博 On-Line の「新聞・雑誌記事等」の「新聞執筆原稿」に「安価な平和と高価な平和」(「現代のことば」)(『京都新聞』2006年10月20日、夕刊)を追加しました。「研究内容」の「口頭発表」に「宗教間対話の再考――欧米型対話モデルに対する批判的考察」(宗教倫理学会 第7回学術大会 ワークショップ)を追加しました。

 京都新聞の記事ではアーミッシュの学校で起こった事件について言及しています。事件に対するアーミッシュの人々の対応は、世界中が学ぶべき内容を多く持っていると思います。マイノリティであるが故に保持されてきた貴重な伝統・価値観を感じさせられました。

 

『原理主義から世界の動きが見える』を国際基督教大学の森本あんり先生に贈呈したのですが、早速、ご自身のウェブサイトで紹介してくださりました。このブログに目を通されているようで、私が奨学金を完済したこともご存じでした。

 今日は、次のような内容でCISMORの研究会がありました。あまりよく理解していない分野の話であったので、何かと勉強になりました。
 スピノザの「神即自然」という考えたかは知っていましたが、よく考えると、なかなか刺激的な内容を含んでいることに気づかされます。

研究会テーマ「ユダヤ世俗主義の原型を探る:宗教と政治の関係」

河井徳治(大阪産業大学名誉教授)
「スピノザ:西欧思想史に見る異性体―その神観と倫理・政治思想」
飯島昇蔵(早稲田大学)
「マキャベリ、スピノザ、レオ・シュトラウス―哲学と宗教」

 それにしても、今日は秋晴れがすがすがしい、絶好の行楽日和でした。こういう日に限って、授業がめいっぱい詰まっていたり、他の行事が入っていたりしています。

 うちの近所のスーパー(たとえばイズミヤ)では、クリスマス・ツリーがすでに飾られているのですが、これって早すぎませんか?? 10月半ばでクリスマス・ツリーを見ると、何だかか師走のような気ぜわしさにおそわれ、落ち着かないですね~

 10月14~15日、Graduate Theological Union (GTU) と日本の神学関係者とのジョイント・ワークショップが同志社新島会館で開催されました。私は、今日15日だけの参加となりました。
 GTU学長のドナヒュー先生は帰国の飛行機の都合で早めの退席でしたが、彼とは一昨日夕食の席でいろいろ話をすることができました。
 久しぶりに、ソン先生(C.S. Song)にお目にかかることができ、また、彼の礼拝説教を聞くことができました。さすが、アジア神学の第一人者だけあり、多くの刺激を受けました。
 来年4月頃には、"Tracing the footsteps of God"という本を刊行する予定であることも聞き、そのタイトルを聞いただけで、イマジネーションが膨らみました。
 キリスト教宣教師がアジアにやってくる以前に、創造者なる神は、アジアにはいなかったのか?という問いかけに答えたものだと言えるでしょう。アジアの文化・宗教の中に、「神の足跡」を探していく、という野心的な作品なのだろうと想像しました。
 伝統的には、こうした方向性は「神の啓示」を否定する「自然神学」的な人間的営みとして否定される傾向がプロテスタントには強くありました。私自身、こうした傾向性に対し、ささやかな異議申し立てをしながら、ある種「自然神学」の再構築を目指してきたところがありますので、ソン先生の試みには大いに共感しています。
 イエス論からキリスト論を見直す、という視点も興味深いと思いました。ソン先生のこれまでの著作にあらわれている考え方とはいえ、ご本人の口から聞くと、やはり説得力があります。
 ソン先生から受けた刺激を、うまく活用していきたいと思っています。

 10月14日、宗教倫理学会の第7回学術大会が開催されました。
 プログラムの詳細については、こちらをご覧ください。学会ウェブサイトも数日前に全面リニューアルしましたので、ご覧になってください。
 今回、私は徳永道雄先生(京都女子大学)と共にワークショップ「宗教間対話の再考」で発表しました。全体で1時間割り当てられているのですが、時間が足りないと感じたほどに、活発な質疑応答がなされました。結論的なものが出てくるわけではありませんが、一つの方向性を示すことができたのではないかと思います。

 この学会が設立され、丸6年が経過したことになります。私は設立当初から6年間、評議員を務め、最初の4年間は事務局長でした。最初の頃は本当に大変でしたが、6年経つと、かなり安定してきたなと感慨深く振り返ることができます。
 今回で、私は評議員を辞めて、ようやく一会員として関わることができるようになりました。ちょっと一息入れることができそうです。

 この学会ほど、異なる宗教的背景を持つ人同士が生き生きと交流できる場所は他にないと思います。また、まじめに研究会を続けているのも、この学会のよいところです。
 いつまでも野心的な学会であってほしいと願っています。

 今日は、同志社の歴史中ではおそらくはじめて、休日に授業が行われました。ハッピーマンデー増加による月曜日の授業日数の確保は、どの大学も苦慮しているところだと思いますが、これまで同志社大学ではクリスマスを過ぎてから、月曜代行日がもうけられていました。
 わたしも、12月26日に授業を行ったことがありますが、学生はあまり来ません。こうした経緯があって、休日開講に踏み切ったのだと思います。
 通勤電車は空いていて、休日出勤はすがすがしかったのですが、キャンパスもかなり空いていました。いつもは混雑している生協食堂がガランとしていたのが印象でした。
 私は、月曜日に3コマ授業があり、すべてまじめにやりました。ふーっ、疲れた!

061007 昨日と今日、私の住んでいるあたりでは、かなりの強風でした。おかげで、二日続けて、JR湖西線がストップし、両日とも堅田駅で足止めを食らいました。
 無理な運行をして、高架から落下するよりマシですが、二日も続けて止められると、さすがにうんざりします。

 強風のせいで、トマトは枝が支柱から外れてペチャンコ状態に。また、10メートルほどの高さから、風で引きちぎられた、へちまが落下していました。
 右写真のようにかなり大きくなっていましたので(2リットル・ペットボトルより大きい)、これから、たわしを作ります。水につけて中身を腐らせる、といった作業に2週間ほどかかります。
 さて、上等なへちまのたわしができるかな?

 山折哲雄著『ブッダは、なぜ子を捨てたか』の書評を、小原克博 On-Line に掲載しました。
 ちなみに、今月号の『論座』(朝日新聞社)に、特集「葬式を変えよう!」があり、そこで山折先生が上田紀行氏と対談しています。かなり大胆に山折先生の持論が展開されており、これも一読の価値があります。

書評:山折哲雄著『ブッダは、なぜ子を捨てたか』
『論座』11月号

 10月1日(日)、札幌北光教会で110周年記念礼拝の説教をしました。たくさんのなつかしい人と再会できたことは、何よりうれしいことでした。
 多くの人に「10年前と全然変わっていませんね」と言われたのですが、何とお応えしてよいやら。おなか周りの肉付きがよくなりすぎて、10年前のズボンをはくことは絶対にできないでしょう。(^_^;)
 10年という年月が大きな変化としてあらわれている人もいれば、それを感じさせない人もいて、まさに人それぞれです。お年寄りが元気なのには驚かされました。北光教会で洗礼を受けて77年経ったという90歳の女性の方が、礼拝後の祝会でスピーチされていましたが、言葉も記憶も明瞭で、とても90歳とは思えませんでした。

 夕方の便で大阪伊丹空港に向かい、10時過ぎに帰着。それから月曜日の授業の準備をし、月曜日・火曜日は会議や授業続きで、朝から晩遅くまで仕事漬け。
 ゆったりとした時間の流れを味わっていた札幌での一時が夢のようで、いきなり過酷な(?)現実に引き戻された思いです。

 札幌はよいところでした。本当に。

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