小原On-Line

小原克博: 2005年3月アーカイブ

 29日の午前のセッションは、"Critical Reappraisal of Religious Pluralism and of the Presence of Islam in the United States"というパネルに参加しました。
 7~800万人いると言われているアメリカ人ムスリムの状況や愛国法(patriot act)の影響などについて知ることができました。愛国法は、とりわけムスリムの人たちに対する監視の目が強くなったというネガティブな評価をよく耳にしてきたのですが、今回のパネルでは、そのポジティブな影響について聞くことができました。それはアメリカ人ムスリムが愛国的になったというのではなく、これまで、それぞれのナショナリティごとに集団化していたムスリムが、9・11以降は、ナショナリティの境界を越えて一体となっていったというのです。9・11のような大きな危機がなければ、確かに、こうした変化は起こらなかったかもしれません。
 アメリカに限らず、ヨーロッパや他の国々でも、移民はナショナリティを中心に集団を形成していき、通常は、そうした集団間にはあまり交流がありません。その意味では、愛国法による危機意識が、従来の垣根を越えさせたわけですから、ポジティブな影響と言ってよいのかもしれません。ちょっと不思議な気がしましたが、当のムスリムの人がそう言っているのですから、一般的にもそういう印象が見られるのでしょう。

 午後は、"Scriptual Interpretation and Politics"というパネルの司会をしました。これは4名のパネリストがそれぞれかなり異なる角度から発表をされたのですが、専門性が高いものが多く、わたしには理解できない点も多々ありました。
 コメンテーターは、国立民族博物館の臼杵陽先生。中東地域研究の第一人者です。臼杵先生は、事前にコメントをまとめられており、難解な発表に的確なコメントを返されており、さすがだな、と感心させられました。
 最後にフロアーからの質問を受け付けたのですが、質問者はハーバード大学神学部のP・マシーニスト先生でした。これまた、さすが!の質問でした。ちなみに、マシーニスト先生の講演会が31日に同志社であります。
 英語での司会は慣れておらず、最初は少しだけ緊張していたのですが、まあ何とかなりました。何事も経験ですね。

050330 夜はバンケット(晩餐会)がありました。かなり大きな部屋で行われたのですが、かなりの混雑状況でした。それもそのはず、1000人ほどの参加者があったようです。しかし、おかげでたくさんの旧知の人と再会することができました。
 右の写真は、バンケットで行われていたパフォーマンスの一つ、和太鼓です。そのほか、獅子舞みたいな日本の伝統芸能がいろいろ披露されていました。みなさん、話に夢中で誰も見ていないような気もしましたが・・・(^_^;)
 あと食事があっという間になくなっていくのも、国際会議ならではです。普通、日本のパーティなどでは、いくぶん料理があまるものですが、どんどんなくなっていき、わたしは会話に夢中になって油断していたため、最後の楽しみにしていたケーキなどのデザート類を取りに行ったとき、一つも残っていませんでした。絶句いたしました。(T_T)

 IAHRには非常にたくさんの人たちが各国から集まり、交流を深めることができ、全体として、とてもよい学術交流の機会であったと思います。

050329 月曜日、予定していたIAHRのパネルを無事終えることができました。
 IAHRでは20以上のパネルが平行して行われるので、通常のパネルは15~30名ほどの来場者なのですが、わたしたちのパネルには60~70名ほどの人が来てくださりました。
 収容人数240人の大部屋だったのですが、何とか格好がつきました。
 京都から、CISMORの報告書やパンフ類を送っており、会場に並べていたのですが、あっという間になくなりました。

 司会のZikmund先生がCISMORの宣伝をうまくしてくださり、また最後には、実にうまく全体をまとめてくれました。Zikmund先生は、これを最後に、4年間の日本での生活を終えて、明日、アメリカに帰国されます。

 森先生、わたし、中田先生の順で発表し、天理大学の澤井義次先生、4月から東京外大に移られる大塚和夫先生(あの東京都立大学で疲れ果ててしまわれたそうです)にコメンテーターを務めてもらいました。

 フロアーとの質疑応答も、何とかこなすことができ、全体としては大成功であったと思います。ほっと一息入れることができました。

 発表の内容は、質疑応答などをテープ起こしした上で、何らかの形でパブリッシュしたいと考えています。

050326 IAHRに参加し、依頼されていたパネル"Family, Church or School: Where Lies the Heir of Jajpanese Christianity?"でコメンテーターを務めてきました。
 写真は、夕方に、パネル関係者と共に食事をした後に撮ったものです。前列にいるのが発表した若手研究者の方々です。後列は左から、司会のヘイスティング先生(東京神学大学)、もう一人のコメンテーターの柴田先生(ルーテル学院大学・名誉教授)、わたし、そして、ブラジルから東北大学に国費留学生として来ているオリオンさんです。
 パネルには、顔なじみの人たちも何人か来てくださっており、「おー、久しぶり」とか、「忙しいの?」とか、会話を交わしました。上智大学のマーク・マリンズ先生にも久しぶりに会いましたが、学内業務が忙しく、研究の時間が取れないと嘆いており、「そうそう、そうですよね~」と納得し合っていました。(^_^;)
 関西学院大学のクリスチャン・ヘアマンセン氏とも、久しぶりに会い、一緒に食事をしました。

 午後のパネルは、キリスト教とイスラーム関係のものがあったので、そこに参加したのですが、そこで、ばったりと同僚のハッサン中田先生に会い、パネルの後、少し時間があったので、一緒にホテルの喫茶店に入りました。
 席について、コーヒーを注文したのですが、値段を見て、びっくり!! 一杯のコーヒーが1040円・・・
 これが東京なんですね、品川なんですね。田舎者のわたしには理解できないお値段でした。(T_T)

 『京都新聞』3月19日、夕刊に掲載された記事を小原克博 On-Lineに追加しました。「こころ・宗教」というコーナーに、宗教倫理学会のメンバー3名の「地下鉄サリン事件」に関する見解が紹介され、その内の一つです。

 明日から、IAHR東京大会に出席します。明日はコメンテーターの役が当たっています。
 IAHRの様子は、追って、紹介したいと思います。

■「特異な価値観受け入れを」、『京都新聞』3月19日、夕刊
http://theology.doshisha.ac.jp:8008/kkohara/essay.nsf/
504ca249c786e20f85256284006da7ab/0a2073d0f20f7af049256fcf004fa3d5?OpenDocument

050323 3月23日、タラール・アサド教授(ニューヨーク市立大学)を迎えて、「法・道徳・宗教を考える――エジプトの近代化を振り返って」というテーマの講演会を行いました。
 内容はかなり難しかったと思います。「実定法」(the positive law)等の法律関係の言葉や、イスラーム関係の用語がたくさん出てきたので、なじみのない人には、理解しにくかったかもしれません。
 コメンテーターのサミール先生(神学部客員教授、エジプト人、写真の後列右の人物)が、わかりやすくポイントを指摘してくれたので、そこで納得できた人も多かったのではないかと思います。
 アサド教授は世俗化や近代化の現象学を専門としており、その道では、文字通り、大家と言える人物です。多数の著作を著しておられ、そのうち『宗教の系譜』は日本語にも訳されています。
 学問的にすごい方であることは、以前から、わかっていましたが、今回、講演後に一緒に食事をしながら歓談する中で、その柔軟で懐の深いキャラクターに感銘を受けました。アサド教授は、イスラーム教徒ですが、こういうタイプの人が増えれば、世界は変わるだろうな、としみじみと感じました。
 アサド教授は、24日から始まるIAHR国際大会(東京)でキーノート・スピーカーの一人として招かれており、その機会を利用して、今回、同志社にも立ち寄っていただいた次第です。

 IAHRには、1500人の研究者が集まり、海外からも600人ほどの参加があるとのことです。わたしも発表をする他、コメンテーターや司会を依頼されており、4日ほど品川に滞在することになります。

 今日、シャープの人が来て、カード対応型電子辞書に搭載する「電子バイブル」について話をしました。
 9~10月頃には製品を出せるように調整しているようです。また、シャープの電子辞書の一般のパンフに、電子バイブル・カードを載せるのは難しいそうで、あるキリスト教出版社と提携して、そこから出すことになりそうです。
 目下の仕様を聞きました。聖書を見出しや、章節を追って引くことはできるのですが、語句から引く、いわゆる「コンコルダンス」的な機能が搭載されそうにありません。これが一番ニーズの高い機能だと思うのですが、少なくとも最初の電子バイブルにはのらない可能性がきわめて高いです。残念ですが。
 値段は、5千円程度にしたいとのこと。しかし、この値段にするためには、1万枚は作り、売る必要があるとのこと。通常のカードが、やはり1万枚を目安にしているらしいのですが、「電子バイブル」で1万枚は、よほど宣伝をうまくしなければ、きわめて困難な数値目標だと言えます。
 「電子バイブル」、みなさん買いますか? その前に、シャープのカード対応電子辞書を持っていることが前提になりますが・・・ ハードルはいくつもありそうで、人ごとながら、心配です。

050321b 3月21日、京都のある料亭で、シリアのクフタロウ財団と、同志社大学 神学部・神学研究科および一神教学際研究センターとの間の学術交流協定の調印を行いました。
 クフタロウ財団は、イスラーム研究を中心とした大学や研究機関を含むコンプレックス(複合組織)です。今回、その総長のクフタロウ氏が、宗教団体の大本の招きで来日していたため、それに合わせて調印を行いました。
 大本の教祖の一人である出口王仁三郎がイスラームと出会っており、それ以来の関係があるようなのですが、大本の「神」とイスラームの「神」は同じだという理解に立っているようです。万教同根をとく大本の考えからすれば、自然なことのようにも思えますが、大本のHPなどを見ても、イスラームとの関係はまったく述べられていませんの。大本とイスラームとの裏話をクフタロウ氏から聞かされ、驚愕の事実を多数耳にしました。ここで言ってしまいたいのですが、かなりセンセーショナルな内容なので、もう少し事実関係を確認してからにしたいと思います。じらすようで、申し訳ありません。(^_^;)

050321a 調印した森先生は、クフタロウ氏から記念のシリア風ガウンをもらいました。なかなか似合っています。ただし、裾は30センチくらい長かったので、裾直しする必要があるでしょう。

 クフタロウ氏は同志社との調印のことを、すでにシリアのアサド大統領に伝えたとのこと。うっひょー!って感じですが、それもそのはず。クフタロウ氏のお父さん(昨年9月逝去)は、シリアの最高ムフティ(最高位のイスラーム指導者)だったので、話のスケールがとにかくでかい!

 最近、何かと話題になっているシリアですが、シリアと日本の友好関係を深めていくために、今回の調印は、最初の一歩になったのではないかと思います。
 シリアにぜひ来い、というので、「シリアの魅力は何ですか?」と聞きました。長い宗教的伝統、古い遺跡、美しい町並み、といった答えを期待していたのですが、返ってきた答えは「美しい女性がたくさんいること」でした。さすが、最高ムフティの息子です。凡人の考えを凌駕しています。(^_^;)

 クフタロウ氏とは、二度目の対面でしたが、またシリアとの心理的な距離が少し近くなったような気がします。時間があれば行ってみたいと思っています。

※業務連絡:Y. Mori様、クフタロウ氏がwife同伴でシリアに来るようにと森先生に催促していましたので、どうぞ遠慮なく、せっついてください。

050320b 今日は、卒業式および大学院の修了式終了式でした。右の写真は、謝恩会に残った人たちとの記念撮影です。コンパクト・デジカメで撮影したので、画質があまりよくありません。こういう撮影を想定して、一眼レフを持ってくるべきでした。
 関係者の方々で、800*600pixelより大きなサイズの写真がほしいという人はご一報ください。

 卒業式を迎えるたびに、4年という月日があっという間に過ぎ去ることを痛感します。
 新しい門出を祝う華やかな気持ちと同時に、「少年老いやすく学成りがたし」を自戒の言葉として強く感じるのも、このシーズンです。
 これから就職する人たちにとっては、これまで長年当たり前のようにまとわりついていた「学生」という気楽な身分がなくなることへの不安もあるでしょう。それでも、半年あるいは1年もたてば、けっこう「社会人」らしい顔になってくるので不思議です。その意味では、卒業は人生の中でも大きな節目の一つでしょう。

050320a 節目といえば、今日、「結婚します」宣言をした人が二人もいました(いずれも女性)。どちらの方も、だいたいの事情はわかっていましたが、結婚というのは初耳だったので驚きました。ちなみに、右の写真の一番左の方がその一人。
 「熱しやすく冷めやすい」ことで有名であった彼女ですが、今度は、大丈夫なようです。(^_^;) 安心しました。

 Yokoさんのご紹介にもありましたが、今週号のTIME誌は"Hail, Mary"ということでマリア特集をしています。
 ごく簡単に説明すると、今やアメリカでは、プロテスタントの中にもマリア信仰への流れが生まれつつある、ということのようです。特にヒスパニック系のプロテスタント信者にその傾向が強いとか、マリアの意義を再発見したという研究者や牧師の話が出ています。
 実際、プロテスタントでは、マリアの出番はほとんどありません。クリスマスの時くらいでしょう。しかし、それでは、あまりにマリアを過小評価してしまっているのではないか、という声がプロテスタントの中にも出てきている、という趣旨のことがTIMEには記されていました。
 もっとも、マリアの再評価は、フェミニスト神学の形成と共に始まっていますので、もう20~30年近い蓄積があります。マリアの女性性をより積極的に評価する流れと、マリアを女性の鏡とすることによって、女性に特定の性別役割を押しつけてきたという批判的な流れとがあります。

 TIMEのイラストは、いつも気が利いています。今回のイラストも、下記ページから見ることができます(Gallery & Graphicsのところ)。

■TIME "Hail, Mary"
http://www.time.com/time/covers/1101050321/story.html

 今日は、痛い足を引きずりながら、日本基督教学会 近畿支部会に出席するため、尼崎にある英知大学まで出かけてきました。
 やはり一日寝たくらいでは痛みは取れず、足がうまく曲げられないので、歩くときの歩幅がいつもの半分くらいの感じです。ペンギンが歩いているのを想像してもらえればわかりやすいでしょう。(^_^;)
 階段の上り下りは、特に痛みを伴います。「あっつ・・・」とか「うっ・・・」とか思わず口から出そうになるのを、ぐっと我慢して、そろりそろりと上り下りしました。

 今日は、わたしが指導している学生が研究発表をすることもあり、また、わたし自身が研究発表の司会に当たっていたこともあって、無理してでも行く必要がありました。
 わたしが司会をする番の発表のちょうど直前に休憩時間があったので、そこでコーヒー飲みながら、いろいろな先生方と歓談していて、ふと時計を見ると、な、なんと発表開始時間が過ぎているではありませんか!
 恐る恐る、教室に入ってみると、すでにみな着席しており、コーヒー片手に遅れてきた司会者は白い目で見られた次第です。あ~、格好悪かった。何食わぬ顔で、始めましたが。(^_^;)

 午後の公開シンポジウムは、阪神大震災10周年がテーマになっていました。カトリックの取り組み、プロテスタントの取り組みなどを聞くことができて、有意義でした。

050313  生きて生還しました。ただし、足は猛烈に痛いです。腕まで痛くなって、帰りの電車では、つり革まで手をあげるのも、つらかったです。
 さて、結果はいかに? 順を追って、説明したいと思います。マラソンはドラマでした。

 到着して、まずその人数の多さに驚きました。平安神宮の周りに7千人以上の人が集まっているのですから、普段、見られない光景です。その光景の写真を取ることはできませんでしたので、(代わりにはなりませんが)わたしが本日着用したウェアーの記念写真を上に載せておきました。ゼッケンの裏にはトルソータグが入っていて、チェックポイントの通過タイムが自動的に計測されるようになっています。

 整列する前に軽くウォーミングアップしました。たまたま近くに、いかにもベテランそうな人がいたので、少し話しかけました。

(小原)「なんだか手袋している人が多いみたいですけど、走ってて熱くならないんですかね~?」
(ベテラン)「こんな寒い日には手袋するのは当たり前だよ。手が冷えると体温調整できなくなるよ。」
(小原)「えっ、そうなんですか。」
(ベテラン)「手が冷たいと、体が勘違いして、汗も出なくなるんだよ。そしたら、かなりしんどいよ。」
(小原)「・・・・」
(ベテラン)「それより、おたくは重そうなシューズはいてるね~。」
(小原)「えっ、そうですか。ランニングするときに普段はいてるもんなんですけどね。」
(ベテラン)「それはジョギング・シューズで、マラソン・シューズとは違うよ。シューズは軽くないと、時間がたつにつれて、重りみたいになってくるからな。おたくのシューズ、大丈夫かね~」
(小原)「・・・・」
(ベテラン)「まあ、がんばりや!」
(小原)「は、はいっ。がんばります。」

 というわけで、よくわからないまま、とりあえずやってきたわたしは、いきなり冷や汗をかいてしまいました。そして、このベテラン・ランナーの言っていたことが真実であったことを、わたしはレースの中で体験することになります。(T_T)

 スタート10分前には所定の位置に整列するのですが、わたしは何と最後尾でした。ひょっとして、とは思っていましたが、いざ、そうなるとかなり心細い気持ちになりました。自分の前に7000人以上のランナーがいて、後ろを振り返ると、誰もいないのです。こりゃ、スタートしてからも大変そうだな~と、かえって開き直ってしまいましたが。

 9時にスタートの号令がなり、先頭ランナーがスタートを切ったはずなのですが、1分くらいは前にほとんど進みません(最後尾の話です)。2分くらい経って、ようやくスタート地点にたどり着きました。
 実況中継のアナウンサーも「2分経って、ようやく最後尾のランナーが歩きながら、スタート地点に到着しようとしています。がんばってください!」と、ウケねらいのスピーチをしていました。

 最初は道も狭く、団子のような状態で走っているので、前に行きたくてもいけません。第一関門の制限時間があるので、10分くらいたった頃には気が焦ってきました。こんなところで終わりたくないっ!て感じです。でも、前に行けない最後尾の哀しさ・・・

 平安神宮を出発し、京都市役所前を通過し、烏丸通りを北上。第一関門は、同志社大学のちょっと手前にあります。5キロ地点です。烏丸通りで少しピッチをあげたおかげで、第一関門を3分ほど余裕を持って通過することができました。

 その後、同志社大学と京都御所の間、今出川通りを東進。河原町通りから、加茂川に沿って北上です。ここに第1給水所があったので、わたしはスポーツドリンクを飲んだのですが、これは後々、痰が絡んでよくありませんでした。のどごしが悪い。2回目以降は水を取ることにしました。

 加茂川の横を走る道は景色のよいところなのですが、そういうことを感じている余裕はまったくありませんでした。第二関門を、3分弱の余裕で通過しました。ここまで来れれば初回としては上出来だな、とちょっと満足しました。

 北山通りを東進し、10キロの第三関門をやはり3分弱のゆとりを残して通過しました。このあたりから、何とかもう少し先まで行きたいという欲が出てきたのですが、同時に、足がだんだん重たくなり、あのベテラン・ランナーが言っていたように、手がひどく冷たく感じるようになりました。

 10キロから先が、本当にしんどかったです。白川通りを北上し、国際会館で折り返すのですが、そこに第四関門があります。ここをぎりぎり通過することができました。自分の通過した少し後に、無情にも通過地点が閉鎖されているのが見えました。そして、しばらくして収容バスが来ていました。昨年の記録にもあったとおり、ここでの脱落者が一番多かったと思います。折り返しながら、すでに閉じられた第四関門に向かうランナーが見えましたが、400人以上はいたと思います。

 ぎりぎり通過できたので安堵はしたものの、このままのペースでは次の第五関門は、かなり危ないのではないか、という危機感がよぎりました。

 足はさらに重くなり、上り坂では走っているのか、歩いているのか、わからないような速度で進んでいました。白川通を南進し、ここは緩やかな下りになっているので、少しだけ楽になりました。またもやぎりぎりだったのですが、第五関門(17キロ)を通過することができました。

 ところが、それまでわたしの後方にいた、2時間完走の目安になる「のぼり」を持ったペースランナーに抜かれてしまいました。さすがに、第五関門まで通過したからには、根性振り絞って完走したいと思っていましたので、その「のぼり」がどんどんと自分から離れていくと、かなり気弱になって「いよいよここまでか」と覚悟を決め始めていました。

 最後の3キロほどは、足がまともに動かず、スタミナ切れとなり、そして丸太町通りを通過する最後2キロほどでは、だんだんと意識が遠のいてきました。「あ~、もうだめ~、倒れる~」と思いながら、「ここで倒れたら、どこの病院に運ばれるんだろうか? 勢いよく倒れたら、頭から血が出るかもしれないな~。あっ、そう言えば、保険証のコピー持ってくるの忘れた。あっ、倒れて入院したら、明日の基督教学会に行かなくてもすむな~。倒れようかな~」とか、白目になりかけながら、あれこれ妄想をめぐらしていました。

 最後の1キロあたりは、時計を見ながら「ここで2時間をオーバーしたら、今までの努力が水の泡だ。がんばれ~」と弱っている自分を励ましながら走りました。平安神宮の鳥居(ゴール)が見えたときには「よっしゃ~、ラストスパート! まだいけるぞ!」と思うものの、足がまともに動かず、「あかんかったら落ち込むな~」と強気半分、弱気半分で、息もまともにできないような状況でした。

 ゴールを通過したとき、2時間を切っていました。感動の完走を果たしました。
 あとで係の人に記録を教えてもらいました。
 記録は1時間58分14秒。順位は4187位でした。
 単純に考えると、最後尾から3000人近い人を追い越したことになります。

 制限時間2時間のぎりぎりではありましたが、当初、完走できるとは思っていなかったので、かなりうれしかったです。

 今回、全体を通じて、かなり(!)きつかったので、今度は、もう少し準備をしてのぞみたいと思いました。他の地域のマラソンにも機会があれば参加してみたいと思っています。
 このシティマラソンは、自分の肉体的・精神的限界に挑戦する、という意味では、非常に有意義であったと思います。
 あ~、つかれた!

050312 今日は、前アルジャズィーラ東京オフィス・プロデューサーのレズラズィー氏を講師として迎えて、「マスメディアと宗教――日本のマスメディアによるイスラーム世界の報道」というタイトルの講演会を行いました。わたしは司会をしたのですが、レズラズィー氏とは、研究会でいつも顔を合わせており、気心が知れているので、気が楽でした。
 講演後の質疑応答では、メディアのあり方や、アルジャジーラについて、いろいろな質問が出てきました。
 講演の後、レズラズィー氏と森先生と一緒にグランヴィア京都(京都駅ビルにあります)に出かけ、ケーキセットを注文しました。ケーキを食べながら、あれこれ密談を交わしました。(^_^;) 4月から、レズラズィー氏を中心にして、新しい研究プロジェクトを立ち上げることになりそうです。正式に決まれば、お知らせいたします。

 その後、わたしは大あわてで、明日の京都シティハーフマラソンの選手登録のために「みやこめっせ」(平安神宮の近くにあります)に向かいました。午後7時に受け付け終了なのですが、10分前に到着し、ぎりぎり登録を済ますことができ、明日のゼッケンなどをもらうことができました。
 昨年度のデータなどが記載された冊子ももらったのですが、それによると、5キロ地点にある第一関門で収容されたのは、たったの29名。絶対、この中には入りたくないと、強く心に誓いました。(^_^;)
 しかし、後になるほど収容人数は増えてきて、13.8キロ地点にある第四関門では422名も収容されています。最終的に、昨年は、7,176名参加の内、完走したのは4,870名ということでした。
 果たして、どこまで行けることやら・・・ 予想してください。結果は、明日の午後、書き込むことにします。
 もし、月曜日になっても何の結果報告もない場合には、がんばり過ぎて、心臓発作などで昇天した可能性もありますので、そのときには、今回の書き込みが最後のメッセージということになります。まあ、そうならないよう、死なない程度にがんばりたいと思います。

■レズラズィ氏ホームページ
http://www.rezrazi.org/

 今週は何かと忙しくて、BLOGの更新がすっかり停滞してしまいました。毎日覗いてくださっていた方々、もーしわけありません。(-.-)

 さて、今度の日曜日に京都シティハーフマラソンが行われるのですが、それに参加します。でも、ほとんど準備できていません。(T_T) 直前に少しは走り込みができるかと思っていたのですが、昨日は入試担当、今日は講演会の司会という具合に、こういうときに限って、時間がないんですよね。

 京都の街中を堂々と走れるのはきっと気持ちいいに違いない!と思い、ほとんど衝動的に申し込んだのですが、完走できる可能性は1パーセントもないでしょう。さすがにマラソンは根性だけではできません。

 京都シティハーフマラソンは制限時間が厳しいことで有名らしく、ゴールまでに五つの関門があって、そこを制限時間内に通り抜けないと「収容バス」に乗せられ、スタート地点まで帰されるようです。最終的に、21キロを2時間以内に走らなければなりません。

 とりあえず、今の目標は、5キロ地点にある第一関門までたどりつくこと。ここまでも30分少々でたどり着く必要があるので、けっこうしんどいです。今回、初めてのマラソン出場なので、とにかく雰囲気を味わえるだけでもいいのでは(と走る前から、負け惜しみを言っている自分が悲しい・・・)

 7000人が走るそうです。それだけでも驚きです。ちなみに、わたしのゼッケンナンバーは8025。これって最後列に近いと思います。(T_T) 最後列がスタート地点まで達するのに2~3分かかるそうです。

 とにかく初めてなので、かってがわかりません。シューズだけは用意しましたが、やっぱり時計なんかもいるんでしょうね。・・・ん~、呑気なもんです。(^_^;)
 締め切り迫った原稿も抱えていますが、それは忘れて走ります。

 コースはいいですよ。下に、交通規制の地図のページをあげておきます。これで走行ルートがわかります。同志社と御所の間も走ります。

■京都シティハーフマラソン
http://www.city.kyoto.jp/bunshi/sports/
shinko/marathon/20050222-01.html

 2月19日に行われた公開シンポジウム「戦争・平和・宗教――日本とドイツ」の動画の配信を始めました。関心ある方はご覧ください。とはいえ、4時間弱もありますから、適宜飛ばしながら見た方がよいかもしれません。

 なお、3月はCISMOR Monthということで4つの公開講演会が行われます(一つは終了)。それについては、CISMORの日本語トップページに案内を出していますので、ご覧ください。

050305 宗教倫理学会の2005年研究会が昨日から始まりました。基本的に毎月1回研究会を行っている、まじめな学会です。(^_^;)
 今年は「変化する世界における宗教――相克と調和」というテーマなのですが、まだはっきりとしたイメージが共有されていないので、初回は、わたしと徳永道雄先生(京都女子大学・真宗学)が、テーマについて考察する発表を行いました。
 わたしの発表「宗教が関与する相克の現代的諸相」は、早速、小原克博 On-Line に掲載しました。音声付きです。
 研究会としては、めずらしく30名近い参加者があり盛会でした。

050302 今日は、World Watch News Vol.2 作成のための撮影をしました。年度末が迫っており、かなりせっぱ詰まった状況です。(^_^;)
 Vol.2はイスラエル特集で、昨年夏に行ったときに収録したインタビューなどを3本掲載する予定です。それだけなら、簡単なのですが、解説や、日本語・英語のサウンド切り替えなどしようと思うと、かなりの手間暇がかかります。イスラエルで収録したものは、ほとんど英語なので、それを日本語にするだけでも大変!

 Vol.2を見ていただいた方の中には「あれは、どこのスタジオで撮影されたんですか?」と、まじめに聞いてくださる方がいます。前回も今回も、ただの教室で撮影しています。上の写真がその種明かしです。
 緑を背景としたクロマキー撮影をして、それをバーチャル・スタジオと組み合わせます。ですから、スタジオはバーチャルなのです。そうとは気づかれないくらいに、うまく合成されていますが。

 撮影が終わってから、お遊びで、コンパクト・デジカメで30秒弱の動画撮影をしました(というか、そもそも30秒までしか撮影できないっ!)。デジカメによる動画なので、画質はよくありません。
 ビデオ・レターが、これからは受ける!とか何とかいう話になったのですが、一応、お遊びの1本を掲載しておきます。まだ本腰入れてやる気にはなっていませんので、2本目があるかどうかは反響次第というところです。(^_^;)

■Kohara's Video Letter 03/02/2005
http://theology.doshisha.ac.jp/kohara/VL050302.wmv

 小原克博 On-Lineでお知らせしていますが、2005年度の開講科目を「授業内容」の「講義概要」に追加しました。学部科目では、新たに「建学の精神とキリスト教」を担当することになります。大学院でも、新たな科目が追加されていますので、まじめに考えると、かなり気が重いです。(T_T)

 「インターネット授業」は、これまで放りっぱなしだったのですが、来年度に向けて、更新しました。新年度から「神学部オープンコース」が始まります。これは、授業をストリーミングメディアで一般公開するものです。どの先生が、どのような授業を公開するかは、お楽しみに!
 もちろん、仕掛け人はわたしですが、きちんと軌道に乗るまでは気苦労が多そうです。(^_^;) しかし、一見わかりにくそうな神学部の教育内容を公開し、そのエッセンスを社会に還元することには大いに意味があると思っています。
 ちなみに、「オープンコース」という名称は、MITのOpenCourseWareからのパクリです。(^_^;)

kyoto 今日のお昼は、河原町御池にあるホテルの17階レストランで食事をしました。そこからの眺めが非常によかったので、パノラマ撮影をしました。上の写真をクリックすると、横幅1500ピクセルのパノラマ写真をご覧になれます。
 この写真は、4枚の写真を合成しています。
 真ん中少し右を通っている道路が御池通りです。川は、言うまでもなく鴨川。この写真はサイズを縮小しているので、よくは見えませんが、左手の山の中腹には清水寺が写っています。御池通のずっと向こうの方にある大きな建物は、蹴上にあるウェスティン都ホテルです。
 こうやって見ると、京都も建物が多いですね~。

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