Fantasy, Mythology and Religion in Anime and Manga
5月26日に "Popular Culture in Modern Japan" (by Professor Sabine Frühstück) のクラスでのゲスト・レクチャーを無事おけることができました。
Fantasy, Mythology and Religion in Anime and Manga というタイトルで65分ほど話し、10分ほど質疑応答の時間を持ちました(授業は75分)。
日本での講義でも、アニメや漫画を時々素材としては使っていましたが、ずばり、アニメ・漫画を対象として話をするのは初めてだったので、直前まで準備に手間取りました。
講義の前に、Frühstück 先生が私の紹介を丁寧にしてくださいました。宗教を専門とする distinguished Professor であり、同時にポピュラーカルチャーにも詳しい Otaku であるという何ともすばらしい説明でした。
レクチャーでは最初に宗教と文化の関係や、アニメ・漫画の影響力など一般的なことに触れ、その後、アニミズムと終末論を軸として宗教とアニメ・漫画の関係を論じました。
途中、映像として「もののけ姫」「新世紀エヴァンゲリオン」「風の谷のナウシカ」などを短く挿入しました。
下に、結論部分のスライド(3枚)を参考までつけておきます。Eschatological Coordinate を見て、一気に腑に落ちる人はかなりオタク度が高いと言えるでしょう。
質問にも何とか答えることができました。また、授業が終わった後、オタク度の高そうな学生が数名やってきて、感激した、と話してくれ、少しほっとしました。
何はともあれ、アメリカの大学で講義をしたというのは、私にとっては貴重な経験となりました。(少々強引に)依頼してくださった Frühstück 先生にも感謝したいと思います。
先週の講演会では本居宣長や大川周明などを扱い、今週の講義では、碇シンジ(エヴァンゲリオン)や草薙素子(攻殻機動隊)を扱い、このギャップはかなりヤバイ気がしますが、(前)近代日本のテーマが現代のポピュラーカルチャーにも形を変えて引き継がれているという点では、先週と今週のテーマはつながりがあるのではないかと勝手に解釈しています。