ユダ、イエスを裏切らず?!
先日の朝日新聞に「ユダ、イエスを裏切らず」というタイトルの記事がありました。微妙に文章は違いますが、ほとんど同趣旨の記事をasahi.comで読むことができます(下記リンク)。
放射性同位体による年代測定により、紀元後220~340年に書かれたと判断された「ユダの福音書」の約8割が解読された、というのはかなり興味深いことです。
ただし、この記事にも少し説明があるように、「ユダの福音書」は当時地中海世界で流行したグノーシス思想の影響を受けて書かれており、「ユダの福音書」には、グノーシス思想から見たイエス像・ユダ像そして救済理解が記されていると考えたよいでしょう。したがって、「ユダの福音書」の解読結果に従って、ユダこそが救済を完成させる役目を負ったもっとも重要な弟子であった、ということは簡単にはできません。
しかし、「ユダの福音書」の解読を待つまでもなく、これまでも数々のイエス伝(小説)で、ユダを裏切り者としてではなく、特別なミッションをもったものとして描くこと話されてきました。同じように、マグダラのマリアも、後世の人々のイマジネーションを激しく刺激した人物の一人です。
5月に映画が公開される「ダ・ヴィンチ・コード」でも、マグダラのマリアは想像力豊かに描かれています。このあたりが、聖書に対する冒涜であるとして、目下、保守派の教会が「ダ・ヴィンチ・コード」に対する反対運動を展開しており、こうした21世紀的反応も興味深いものがあります。
なにはともあれ、リンク切れになる前に下記の記事をご覧ください。
■ユダは裏切り者じゃない?
https://www.asahi.com/international/update/0407/006.html