CISMORユダヤ学会議
Yokoさんがコメントに書き込んでくださっているように、本日、同志社大学の学生による痛ましい事件が起こりました。現時点では、新聞報道以上のことをわたしも知りません。窃盗事件を起こした学生が停学処分になっていたことは知っていましたが、それがまさかこんな形で事件になるとは思いもしませんでした。
子どもが犠牲となる事件が、最近、連鎖反応のように続いていることが、何とも痛ましいです。
さて、本日は午前中に起こった事件のことをまったく知らないまま、同志社大学の寒梅館で開催された第1回CISMORユダヤ学会議に参加していました。
以下に、そのプログラムを紹介しますが、広い意味でのユダヤ学に関係する蒼々たるメンバーが約30名集まりました。
今回は第1日目ということもあって、古代イスラエル史、聖書考古学、歴史学、解釈学、地域研究、ホロコーストと非常に幅広いテーマが論じられました。
ユダヤ学は日本では研究者の層が厚いとは言えませんが、研究者の質は高いので、今後の展開が大いに期待されます。
ちなみに、神学部では、ユダヤ学分野の専任教員として、アダ・コヘン先生に加え、来年度から手島勲矢先生に加わっていただきます(上の写真は手島先生が発表されている一コマ)。ユダヤ学の本格的な教育・研究が始まることになります。
【開会セッション】
10:00-10:05 開会の言葉 アダ・コヘン(同志社大学神学研究科)
10:05-10:35 講演 宮澤正典(同志社女子大学)
「日本におけるユダヤ研究の展開とユダヤ人に対する日本人」
10:35-10:45 ディスカッション
【セッション A】
文献学的・考古学的観点からみた古代イスラエルと聖書
司会:石川 立
10:45-11:15 アダ・コヘン(同志社大学神学研究科)
「シケム契約と古代ヒッタイト法」
11:15-11:45 越後屋 朗(同志社大学神学研究科)
「考古学から見たシケム」
11:45-12:05 コメント:月本昭男(立教大学文学部) 池田 裕(筑波大学中近東文化センター)
12:05-12:30 ディスカッション
【セッション B】
中世におけるユダヤ学:イスラームとの関係において
司会:越後屋 朗(同志社大学神学研究科)
14:00-14:30 市川 裕(東京大学大学院 人文社会系研究科)
「ユダヤ的生活様式の成立―文化の型の比較に向けて」
14:30-15:00 手島勳矢(大阪産業大学人間環境学部)
「メタファ-とプシャット:中世ユダヤ聖書解釈の構造について」
15:00-15:20 コメント:鎌田 繁(東京大学東洋文化研究所)
勝村弘也(神戸松蔭女子学院大学文学部)
15:20-15:45 ディスカッション
【セッション C】
20-21世紀のユダヤ学
司会:小原克博(同志社大学神学研究科)
16:00-16:30 大塚和夫(東京外国語大学アジアアフリカ言語文化研究所)
「近代中東のユダヤ教徒/ユダヤ人コミュニティ--スーダンの例を中心に」
16:30-17:00 野村(中澤)眞理(金沢大学経済学部)
「拡大EUとホロコースト研究」
17:00-17:20 コメント:臼杵 陽(日本女子大学文学部) 長田浩彰(広島大学総合科学部)
17:20-17:55 ディスカッション
17:55-18:00 閉会の言葉 森 孝一(同志社大学神学研究科)