CISMOR国際ワークショップ(第1日目)
今日は、CISMOR国際ワークショップの二つのセッションが行われました。
北東アジアの事例として、マレーシア、韓国、中国の事例が紹介されました。
韓国の歴史や事情については、比較的よく知っている方ですが、それでも今日はいろいろな発見がありました。東アジアの中でも、韓国では例外的に、キリスト教がナショナリズムに敵対するものと見なされず、むしろナショナリズムと一体となって受容されてきた経緯があります。簡単に言ってしまえば、抗日ナショナリズムにキリスト教は大きく関与してきました。
ところが、そのような韓国ですら、1945年時点でのクリスチャンは全人口の4.5パーセント程度に過ぎませんでした。それが、経済的な発展や、朝鮮戦争での苦難などを経験する中で、今や国民の25パーセントがクリスチャンとなっています。
今では、クリスチャンがマジョリティになってしまったが故の問題(神学の保守化や現世主義、教会の世襲制など)が様々に噴出しています。
中国のキリスト教に関しては、ごく基本的な知識しか持ち合わせていないため、聞くことすべてが新鮮でした。
北京などの大都市では、キリスト教は非常に盛んになっていることが紹介されました。それだけに、政府はキリスト教の活動や出版物にかなり目を光らせています。実際、発表者の一人Gao先生が書かれたキリスト教に関する本は、反政府的な要素はまったくないにもかかわらず、中国本土では出版が許されず、香港でのみ販売されているということでした。
また、聖書は一般書店では購入することができず、教会でのみ買うことできるということでした。しかし、コーランは一般書店で購入できるというのです。おもしろいと思いました。
あと、公開シンポジウムのパネリストとして招待した松本健一先生と、「原理主義」の概念規定をめぐって、あれこれ話ができたのは、わたしにとっては大収穫でした。今、その方面の執筆をしていますので。なかなか集中できないのが問題ですが・・・