KOHARA BLOG

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進化論論争

 YokoさんのTIME誌の"Evolution Wars"記事紹介に触発されて、「世界キリスト教情報」から関連の記事を下に紹介しておきたいと思います。 
 ちなみに、先々週のTIME誌のカバーストーリーは"HIROSHIMA"で、なかなか読み応えがありました。エノラ・ゲイの搭乗員へのインタビュー、被爆者へのインタビュー、いずれも当時の状況を彷彿とさせるリアリティがありました。

 「創世記」の記者は、当時の科学的知見を一部用いて、創造物語を記しており、近代科学において進化説が追求した方向と大きく異なるわけではありません。世界の秩序を説明したい、という欲求はいつの時代も存在しています。
 結局は、神を前提にするか、神なしに説明するかの違いに帰着するのであって、進化論論争は、そうした古典的問いの代理戦争を担わされていると言えるでしょう。

 今日から、三日間、西日本献身キャンプ(神学部入学を希望している高校生や他大学生のためのキャンプ)に講師として参加するため、同志社びわこリトリートセンターに出かけます。ここはインターネット接続環境がまったくないので(部屋から外部に電話すらできない!)、BLOGの更新は、帰ってきてからになります。

◎公立学校の授業で進化論以外も示すべきだ、と米大統領

 【CJC=東京】ジョージ・ブッシュ米大統領が、公立学校の授業で進化論以外の考えも示すべきだと発言、波紋を広げている。進化論に反対するキリスト教右派の主張に同意した、と受け取られたからだ。
 大統領は8月1日、テキサス州内各紙とのインタビューで、聖書を厳格に解釈するキリスト教右派が熱心に説いている「インテリジェント・デザイン(ID)」に関する見解を聞かれた際に明らかにした。
 人間の複雑な構造は進化論だけでは説明できず、「高度な理知」の手が入ることにより初めて完成するというのがIDの骨格。一部の学者は支持しているが、「創造説」を補完する形で提唱されることが多いので「科学の衣をまとった信仰ではないか」と批判されている。
 大統領は、テキサス州知事時代を振り返って、「私は、両方が適切に教えられるべきだと感じていた」と、語った。
 『ヒューストン・クロニクル』紙によると、大統領は、学校のカリキュラムは連邦政府が決めることではないと述べた。大統領は1999年の大統領選の際にも、「世界の始まりに関して、生徒たちは異なった考えに触れるべきだ」と述べていたが、自身がどの説を支持するのかは明らかにしていなかった。
 キリスト教右派は「インテリジェント・デザイン説に大統領のお墨付きをもらった」と歓迎の姿勢だ。
 南部バプテスト会議倫理と宗教の自由委員会のリチャード・ランド委員長は、「それは私たちが推進して来たものだ」として、大統領の姿勢に満足していると『ニューヨーク・タイムズ』紙に語った。同氏は、進化論が「事実としてあまりにも教えられ過ぎる」として、「進化論としてダーウィン説を教えるなら、それを理論として教えるべきであり、科学者の中に多くの支持がある別の理論を教えるべきなのだ」と言う。
 一方、全米政教分離連合などの公民権団体が「大統領としてあまりにも無責任な発言」と強く非難の声を上げている。
 『国立科学教育センター』のスーザン・シュペート氏は、「双方」を教えるべきだというブッシュ大統領の指摘は問題、だと指摘する。「一見、正しいようだが、特殊創造説は特定の宗教的観点であり、知的創造説も特定の宗教的観点なのだ。それを進化に関する別の議論と呼ぶことは、ある宗教的観点に特権を与えることになり公正でない」と言う。

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