CISMOR研究会
28日(土)、CISMOR部門研究会の一つ「一神教の再考と文明の対話」研究会の本年度第1回目の研究会が寒梅館で行われました。
今年度のテーマは「正典解釈の多様性と民主主義」。手探り状態での出発ですが、初回はユダヤ学に焦点を当てて、手島先生(大阪産業大学)と市川先生(東大)に発表をしていただきました。お二人とも、この分野での第一人者ですから、濃密なお話を聞くことができました。
正典の位置づけや解釈のスタイルは、ユダヤ教・キリスト教・イスラームそれぞれの中で、固有の幅があるだけでなく、それら相互の間にも共通点・相違点があって、やりがいがありそうです。
少なくとも国内では、こうした比較研究はほとんどされてきませんでしたので、基礎研究としての意味は十分にあると思います。
米・ニューズウィーク誌が、ガンタナモ収容所で、ムスリムの収容者を辱めるためにコーランを便所に流しているとの情報を掲載し、アフガニスタンでの反米デモに火を付けたことが報じられました。この事件からもわかるように、ムスリムにとってのコーランの位置づけには独特なものがあります。
人が敬意を払っているものに対しては、理解できずとも、敬意を払う、という当たり前のことが異文化理解の第一歩であると思います。