尹東柱 没後60周年
昨日、韓国の国民的詩人 尹東柱(ユン・ドンジュ)の没後60年の記念集会が同志社大学 今出川キャンパスで行われました。
ちょうど同じ時間帯に、わたしは会議があったため、その記念集会には参加できませんでしたが、直前の様子をうかがうことはできました。
尹東柱は戦時中の日本で、ハングルでの試作活動を続け、治安維持法違反で逮捕され、福岡刑務所で獄死しました。彼が同志社大学で学んでいたことから、彼の詩碑が同志社に作られています(上の写真)。
実は、この詩碑は、わたしの研究室から15メートルほどの距離のところにあり、わたしはいつも、この詩碑の前を通って自分の研究室に向かいます。毎日、お花が供えられており、尹東柱をしのぶ人が多いことを感じさせられます。
ちなみに、韓国で発売されている京都のガイドブックには、尹東柱の詩碑が必ず記されており、韓国からの旅行客も多くこの場所を訪れています。60年経った今も、尹東柱は多くの韓国人に慕われているということでしょう。
しかし、同志社の学生の中には、ここにこの詩碑があること、尹東柱がどういう人物であるかを知っている人は少ないかもしれません。
上の写真でははっきりと見えませんで、ここには彼の代表的な詩がハングルと日本語とで刻まれています。
序詩死ぬ日まで 天を仰ぎ
一点の恥ずることなきを、
葉あいを 縫いそよぐ風にも
わたしは 心痛めた。
星を うたう心で
すべて 死にゆくものたちを愛しまねば
そして わたしに与えられた道を
歩みゆかねば。今宵も 星が 風に ―― むせび泣く。
1941.11.20