KOHARA BLOG

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はや9月・・・

 まだ暑い日は続きそうですが、8月はあっという間に過ぎてしまい、すでに9月になってしまったことが、にわかには信じがたいほどです。9月は少し落ち着いて、秋への備えをできればと思っています(そう、うまくいくかどうかは怪しいですが)。

 月が変わり、気分転換しようと思っても、新聞に目をやれば、テロが続いている世界に変わりはありません。
 モスクワでの爆破テロでは、犯行声明が出され、チェチェンでのイスラム教徒を支援することが目的であるとのこと。
 イスラエルでは、ベールシェバで起こったバスの自爆テロに対する、報復攻撃がヘブロンに対してなされようとしています。イスラエル国内では、分離壁がヘブロンまで届いていないことが、実行犯の侵入を許した原因だと、との右派からの批判も出ているようです。
 分離壁に関しては、今回イスラエルに行って、様々な声を聞くことができました。しかし、かなりリベラルなユダヤ人であっても、分離壁そのものを不要である、とは言いません。わたしは、国際司法裁判所が違法と決定した分離壁に対しては、パレスチナ人だけでなく、イスラエルの良識派にはその決定に同調する人が、少なからずいるのではないかと思っていました。
 しかし、実際には、分離壁ができてからテロが5分の1以下に減ったことなどをあげ、分離壁のやむを得ない必要性を説く人が多かったのが印象的でした。
 パレスチナ人と関係の深いユダヤ人人権団体も、分離壁撤廃ではなく、その位置を適切な場所へと移動することを、運動の主眼としているようでした。つまり、パレスチナ人の生活を分断するような分離壁の建設は反対するが、建設そのものには強い反対はないように感じました。

 テロの問題は、本来は、国家や人々がその主権を奪われる葛藤や混乱の中から生まれてきているわけですが、その行動原理として宗教が使われていることが、ロシア、イスラエル、そしてイラクでも共通していることです。
 もつれた糸をほぐすのは簡単ではありませんが、ユダヤ教、キリスト教、イスラームといった宗教の動向を視野に入れなければ、問題の解決には及ばないでしょう。

 9月に入って、少しイスラエルで経験したことを振り返ったり、整理しながら、今後の課題を探ってみたいと思っています。

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