KOHARA BLOG

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分離壁

 今日は不覚にも、カメラのバッテリーが途中で切れてしまい、写真は分離壁関係しかありません。

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分離壁についての説明を受けているところ

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Abu-Disの分離壁

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分離壁の上の落書き

 イスラエル国内で分離壁の問題に関わっているグループはいくつかあるようですが、その中の一つ Rabbis for Human Rights の方に案内をしてもらいました。
 最初は地図を広げて、従来の境界線と分離壁の位置関係について説明を受けました。イスラエルの領域は短期間の内に数回変わっていますので、建国以来の歴史、特に中東戦争やインティファーダーのことを知らなければ、境界の変化にどのような原因があったのかを理解することができません。
 今回は2カ所の分離壁を訪ねました。いずれの箇所でも、もともと一体となっていた共同体が不自然な形で分断されてしまう点に問題があります。
 ハーグの国際司法裁判所が分離壁の建設の違法性をすでに指摘して、国際社会もその線で分離壁に対する批判をしていますので、わたしは、てっきり Rabbis for Human Rights も建設反対であると思いこんでいました。
 しかし話を聞いてみると、必ずしも反対ではないのです。自爆テロなどから子どもたちを守るためには分離壁は、場合によっては必要だというのです。テロによって市民生活が脅かされているという現実が重くのしかかっています。
 必要ではあるけれども、一体となっていたパレスチナ人たちの生活を分断することはよくない、つまり、分断しないように壁の位置を移動するよう、人権団体は求めているようです。こうした微妙な理解は、日本ではまだ十分に知られていません。
 夜、安息日の集会に参加した際に、Rabbis for Human Rightsのリーダー格の人と話をし、日本でこうした実情を講演してほしいことを伝え、これから日程の調整にはいることになりました。

 分離壁のあと、美しいベネディクト派の教会を訪ね、そこで、イスラエル兵からの信頼が厚い修道僧の話を直接に聞くことができました。

 また、その後、Biblical Garden Yad Hashmonaを訪ねました。ここでは、聖書時代の生活風景を再現しており、へぇ~と納得させられるものがたくさんありました。
 しかし、ここでは何よりMessianic Jewであるガイドの人からその信仰理解を聞き、討論できたことが、貴重な体験となりました。Messianic Jewは、イエス(彼らはイエシュアと言います)を救い主と信じるユダヤ人で、同時に、イスラエルを神の約束の地と考えるシオニストでもあります。Messianic Jewのことは知っていましたが、直接に会って話を聞ける機会など、そうそうあるものではありません。
 対話のほぼ全体をビデオで撮ったので、これは何らかの形で公開できればと考えています。

 この日(金曜日)夕方からはユダヤ教の安息日が始まりました。先にも述べたように、興味深い安息日の集会に参加しました。わたしにとっては初めての経験であったので、考えさせられることがたくさんありました。安息日についても、またあらためて報告したいと思います。

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