Archie Lee先生の特別講義
今日は大学院のクラスで、香港中文大学(Chinese University of Hong Kong)のArchie Lee先生に話をしてもらいました。
わたしは(要約的)通訳をしたのですが、おかげで、余裕がなくて写真を撮るのをすっかり忘れていました。Lee先生の顔写真を見たい方は、下のアドレスをご参照ください。最近の論文なども記されています。
Lee先生の専門はヘブライ語聖書学ですが、「アジアの神学」にも多大な貢献をされてきた方です。今回は、中国や香港の歴史に始まり、アジアで神学をすることの意味、そして、その方法論としてのCross-Textual Hermeneutics (相互テキスト解釈学)について話してもらいました。
"One Country, Two Systems"という枠組みの中で、香港は中国とのよい緊張関係を探っています。近年は、中国からの締め付けが厳しくなってきて、それに対するデモもしばしばなされています。
香港におけるクリスチャン人口は8%ということでした。
香港をめぐる話もさることながら、やはり、Cross-Textual Hermeneutics が興味深かったです。聖書と共に、アジアに固有のテキスト(書かれた「テキスト」だけでなく、広意味での「テキスト」です)を相互に関連させながら読んでいく、という態度が基本ですが、それは日本では十分にできているとは言えません。そもそも十分な関心の芽が育っていないとも言えます
欧米から輸入された神学やキリスト教が、「正統」的な位置に置かれ、固有のテキストは、聖書に対して従属させられるか、あるいは、邪魔なものとして無視されることが、もっぱらです。
結果として、一神教と多神教が安易な対立構造の中で語られるような土壌が育っているのではないでしょうか。
Lee先生の話を聞きながら、いろいろな課題に思いめぐらせることができました。
Lee先生の滞在日数は15日と短かったのですが、同志社を気に入ってくださり、世話役としては、ほっとしています。
■Porf. Archie LEE
https://www.cuhk.edu.hk/religion/2004/staff/cclee.html
■香港中文大学
https://www.cuhk.edu.hk/en/