KOHARA BLOG

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出生前診断

 今日は、民医連中央病院の倫理委員会がありました。
 なかなかの難問を議論しました。「胎児超音波検査におけるNT(nuchal translucency)の取り扱いに関するガイドライン」の策定を目下、目指しています。
 母体血清マーカーテストなどの出生前診断は、すでに多くの病院で行われているようですが、NTによる診断は、つい最近発見された新しい診断方法です。
 胎児の後頸部の皮下の液体貯留像の厚みによって、障がいの有無をおおざっぱに推測できるというもので、近年の高性能な超音波検査によって、こうした事実がわかるようになってきました。医師が、超音波検査の際にNTを発見した場合、それを積極的に告げるのか、告げないままにしておいた方がよいのか、が論点の一つです。
 告げた場合には、選択的中絶につながる可能性があります。そこで、安易な中絶を助長すべきではないという価値規範と、医療情報を開示すべきだという価値規範とが、ぶつかり合うことになるのです。
 さんざん悩んで議論して、一定の方向は見えてきましたが、きちんとした文章化は次回に先送りしました。
 ここまで真剣に議論している病院はまだ日本ではほとんどないと思いますので、ガイドラインがきちんとできれば、かなりインパクトのあるモデルとなるのではないかと思っています。
 もちろん、できた段階でインターネットでの公開を予定しています。

■京都民医連中央病院 倫理委員会
https://kyoto-min-iren-c-hp.jp/rinri/index.html

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