ベルリンからボンへ
ドイツ外務省の食堂で
外務省の建物の中で。ガラスを多用して政治の「透明性」をあらわしています。
ベルリンでは超ハードスケジュールのため、メールチェックで精一杯で、BLOGを思うように更新できませんでした。今夕、ベルリンからボンに飛行機で移動してきました。これからは少しだけ余裕がありそうなので、もう少しまめに更新できると思います。
ベルリンでは、観光名所はほとんど訪れることなく、ひたすら、政府機関や関連の組織や大学を訪ねてはブリーフィングをしてもらい、その後、ディスカッションをするということの繰り返しでした。複雑な話が多く、かなり疲れましたが、インテンシブに議論をしてきたおかげで、かなり問題点が見えてきました。
フランスと同様、ドイツでもムスリムのスカーフの問題はかなり大きな議論を引き起こしたようです。ただし、フランスとドイツとでは、政教分離の考え方がかなり違いますので、結論も同じにはならないようです。
ドイツ基本法(Grudgesetz)で保証されている信教の自由をどのように解釈していくか、という法律的な問題がまずあります。さらに、イスラームの場合、カトリックやプロテスタントのような、信者全体を包括する公的団体がないことが問題を複雑にしています。政府のカウンターパートがイスラムの場合、見えにくいということです。
トルコのEU加盟の問題も、しばしば話題になりました。EUの中には、EUをクリスチャン・クラブのように考えて、トルコの加盟に否定的な見解もありますが、しかし、イスラームを含めてEUの未来像を考えようとしている人の方がおそらく多いと思います。
中東問題やイラク復興問題に関しても、ドイツやEUが積極的な関与をして、アメリカとは異なる基軸を国際社会に示すことができれば、大きな意味があることでしょう。特に、アメリカべったりの日本人にとっては、アメリカ以外の文化や価値観のあり方に目を向けていく必要があると思います。