渋谷で研究会
昨日(土曜日)は、渋谷にある同志社東京アカデミーで研究会に参加し、コメンテーターをしてきました。
土曜の午後の渋谷の雰囲気は、週末ムードむんむんですから、渋谷に着いたときには「映画でも見て帰ろうかな~」という、実に不真面目な気持ちだったのですが、研究会そのものは非常に有意義で、十分な知的刺激を受けました。
千葉大学の加藤隆氏による「キリスト教と一神教の成立」が発表内容でした。普通の聖書学者には、できないような、社会構造の分析を大胆に展開するなど、フランスで長く学ばれた成果を感じ取ることができました(cf. 加藤隆『一神教の誕生:ユダヤ教からキリスト教へ』講談社現代新書、2002年)。
それに対し、わたしも、いろいろなコメントをしたのですが、やはり難問の一つは「一神教とはそもそも何なのか」ということでした。ユダヤ教は一神教と言えるのか。あるいは、キリスト教は? ちなみに、キリスト教はイスラームからは一神教から逸脱したとして批判されています。イスラームは、自らを一神教とは呼びませんが「タウヒード」(一であること)を重視します。他方、多神教的なイスラームに対する言及もありました(聖者信仰など)。
こういうベーシックな点が、思っていた以上に難しいのですが、議論百出で、かなり楽しめました。いろいろな専門家が集まっているのも、この研究会「一神教の再考と文明の対話」の醍醐味の一つです。
次回は、東大の鎌田先生がイスラームをテーマに発表をしてくれます。今から楽しみです。
研究会終了後、パルコで懇親会。懇親会は、いつも本音トークで盛り上がります。
■加藤隆『一神教の誕生:ユダヤ教からキリスト教へ』講談社現代新書、2002年
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