本願寺での講演
今日は本願寺国際センターで「戦争と平和をめぐる多様な理解――キリスト教あるいは一神教の視点から」と題する講演を行ってきました。出席者のほとんどが、本願寺の門徒さんだと思うのですが、みな、非常に熱心に話を聞いてくださり、また、講演後の質疑応答も活発になされました。
仏教徒の方々にとっては、はじめて聞くような話ばかりだったと思います。仏教の教えにしたがえば、争い・戦争は否定されますから、正戦論(just war theory)の理屈などは、かなり異質なものとして受けとめられたことでしょう。
しかし、仏教が戦争反対を繰り返すだけでは何の問題解決にもならない、という発言もあって、やはり絶対平和主義(pacifism)や非暴力(non-violence)の立場をどのように有効に機能させるのかが問題となりました。
今回の講演は、徳永道雄氏(本願寺僧侶、京都女子大学教授)の招きによるものですが、なんだかんだと、本願寺とのご縁は深いです。腹を割って話せる人たちもたくさんいるので、わたしにとっては居心地のよい場所の一つとなっています。
仏教とキリスト教の対話というと、非常に抽象的に聞こえますし、また、これまでの観念的な対話論にわたしは批判的なスタンスを取っていますが、今、京都の仏教関係者とわたしとの間でなされている対話(もっぱら居酒屋で行われる!)は、具体的かつ、相互に刺激的なものです。将来、具体的な成果が生まれると思っています。
7月には本願寺の教学にかかわる伝統行事「安居」(あんご)で「脳死・臓器移植」をテーマに話をすることになっています。
先にあげた徳永氏とわたしが協力して作った学会「宗教倫理学会」を対話の具体的成果として紹介しておきます。
本願寺のウェブサイトもけっこう凝っていますので、それも一度ご覧になってください。
■宗教倫理学会
https://www.jare.jp/